アワードの進捗

最優秀賞・優秀賞が決定

最優秀賞

提案

プリント基板の新しい使い方を
提案する
サウンドプロダクト

田村匡將(代表/建築家/デザイナー)、元木龍也(エンジニア)、高橋窓太郎(ビジネスアーキテクチャー)、本杉一磨(建築家/デザイナー)
【デデデ】

テーマ

半田付け不要の
基板ジョイント導通技術

有限会社ケイ・ピー・ディ(葛飾区)

優秀賞

提案

スクリーン印刷による新たな魅力の開発

大木陽平(デザイナー)
【株式会社サイド】

テーマ

大型シルクスクリーン印刷による
膜厚を出した
平滑な大判フィルムの作成技術

司産業株式会社(板橋区)

優秀賞

提案

貼箱製造の技術と設備を
活用した
箱だからできる玩具の提案

泉伸明(アートディレクター/デザイナー)
【株式会社キュー】

テーマ

貼箱製造で培った技術
及び加工設備

株式会社泰清紙器製作所(練馬区)

商品化に向けて各社と
デザイナーの協業開始

テーマ賞

※審査の結果、以下のテーマは「該当なし」となりました。

10. 有限要素解析の実施とコンサルティング

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提案最終審査 総評

本年で11回目を迎える東京ビジネスデザインアワードには、審査委員・審査委員長として長年にわたり関わらせていただいています。年を追うごとにデザイン提案のレベルは上がっていると感じていましたが、2022年度は試作品を含む各提案のクオリティが過去一番に高かったのではないでしょうか。提案最終審査会では全体を通じて、企業とデザイナーがお互いをよく理解し協力できているチームワークの良さと、デザイナーのもたらす創造性が企業へ与えた刺激、そしてそれが新たな価値創造の萌芽へと繋がった熱量が見て取れ、予定の時間をオーバーしてしまうほど審査委員間での議論も白熱したものとなりました。

デザインはものづくり、産業化と共に生まれ二人三脚で歩んできたはずなのに、いつの間にか全く違うものごととして異なる領域で扱われるようになっています。しかし本来、「ものづくりをする企業とデザイナー」は不即不離の関係の中で共にあるもの。審査の過程にて、東京ビジネスデザインアワードは「デザインと産業が歩んできた歴史を体現している」アワードだと改めて実感した次第です。このアワードをきっかけに引き続き企業とデザイナーが並走し、新たなものづくりやサービスづくりを社会の中で体現し、豊かな社会を形作る一翼となっていただけることを心から願い応援しています。

2022年度 東京ビジネスデザインアワード審査委員長    山田 遊

2022年度
東京ビジネスデザインアワード
審査委員長 山田 遊

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スケジュール

  • 2022年
    4月13日(水)

    テーマ募集開始
    テーマ募集のご案内については
    こちら>

  • 6月22日(水)

    テーマ募集締め切り

  • 7月上旬

    テーマ審査(参加企業選定)

  • 9月1日(木)

    テーマ発表&デザイン提案募集開始
    デザイン提案募集のご案内については
    こちら>

  • 10月30日(日)

    提案募集締め切り

  • 11月上旬

    提案一次審査
    デザイナーからの提案を
    企画書で審査

  • 11月下旬

    提案二次審査
    テーマ選定企業とともに、
    一次審査を通過した提案から
    「テーマ賞」を選定

  • 2023年
    1月12日

    テーマ賞発表

  • 2月9日

    提案最終審査&結果発表
    テーマ賞受賞者による
    プレゼンテーション、
    審査

  • 商品化・事業化

審査委員長挨拶

今、世界は混乱の最中にあります。新型コロナウイルス感染症への各国の対策は長期化し、その影響は人々の健康への脅威だけには留まらず、物流にまで及び、またコロナ禍での需要増加により半導体など、部品の供給不足も深刻です。さらに今年に入ってからは大きな国際紛争も起こり、戦争は現在進行形で続いています。エネルギーや食糧の価格高騰は、世界的に物価を押し上げ、日本国内では円安も止まりません。そんな大小様々な課題が社会に噴出し、誰もが不安や無力さを覚えるような状況下で、個人としてはもちろんのこと、企業として為すべきことは何か。そんな問いが今、切実に突き付けられているように感じます。

近年、企業が果たすべき社会的責任(CSR – Corporate Social Responsibility)に代わり、アメリカの経営学者、マイケル・ポーター氏によって2010年代初頭に「共有価値の創造(CSV – Creating Shared Value)」という概念が提唱され、社会の中で徐々に浸透してきました。これは企業が自身のビジネスを通して、地域社会のニーズや問題に取り組み、改善を図っていくことで、社会的な価値と経済的な価値を創造し、両立していくという考え方です。一方でデザインには、単に製品の見た目や意匠、サービスの仕組みといったものを整えるだけでなく、社会に存在する課題を見出し、解決するという役割が期待されています。

今年度、東京ビジネスデザインアワードは11年目を迎え、当初から東京都内でものづくりを行う中小企業と、デザイナーとのマッチングを目指す、とてもユニークな立ち位置のコンペティションであり続けています。ただ、その多くは製品そのもののデザイン、またはブランド化によって、企業の新たなビジネスチャンスを目指す、という内容の提案でした。

しかし、これ程混迷した今だからこそ、ある種、定型のようになっていた提案を超える、企業とデザイナーによる新たな価値の創造を大いに期待しています。

2022年度 東京ビジネスデザインアワード審査委員長    山田 遊

2022年度
東京ビジネスデザインアワード
審査委員長 山田 遊

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審査委員会

審査委員長山田 遊 Yu Yamada

バイヤー|
株式会社メソッド 代表取締役

東京都出身。
南青山のIDÉE SHOPのバイヤーを経て、2007年、method(メソッドを立ち上げ、フリーランスのバイヤーとして活動を始める。現在、株式会社メソッド代表取締役、 武蔵野美術大学造形学部工芸工業デザイン学科客員教授、東京ビジネスデザインアワード審査委員長、グッドデザイン賞審査委員。国内外の店づくりを中心に、あらゆるモノにまつわる仕事に携わり、多岐に渡って活動を続ける。2013年「別冊Discover Japan 暮らしの専門店」が、エイ出版社より発売。2014年「デザインとセンスで売れる ショップ成功のメソッド」が、誠文堂新光社より発売。
これまでの主な仕事に、国立新美術館ミュージアムショップ「スーベニアフロムトーキョー」、21_21 DESIGN SIGHT「21_21 SHOP」、「GOOD DESIGN STORE TOKYO by NOHARA」、「made in ピエール・エルメ」、「燕三条 工場の祭典」などがある。

石川 俊祐 Shunsuke Ishikawa

デザインイノベーション|
KESIKI INC. 共同創設者

ロンドン芸術大学Central St. Martins 卒。Panasonic Design Company、PDD Innovations UKを経て、IDEO Tokyoのデザインディレクターとして立ち上げに従事。その後、BCG Digital Ventures Head of Designを経て、現職。数多くのイノベーションプロジェクトに携わる。D&ADやグッドデザイン賞、全国各地のデザインセレクションなどの審査委員を歴任。近著として『HELLO, DESIGN 日本人とデザイン』(幻冬舎)など。「TCL-多摩美術大学クリエイティブリーダーシッププログラム」プログラムディレクター / 特任准教授。

宇南山 加子 Masuko Unayama

デザイナー、ディレクター|
株式会社SyuRo 代表取締役

東京都出身。デザイン会社として、株式会社SyuRoを設立。日本の伝統や職人の技術、また福祉施設と協働しながら、日常のオリジナルプロダクトも提案している。他社製品の企画やブランディング、インテリアのスタイリング、またホテルやレストランなどのディレクターとしても活動。素材感を活かし、シンプルながらも、日常と非日常、洋と和などの相対する狭間での空間ありきの提案を得意とする。オリジナルショップとギャラリーの運営をしながら、空気感を含めてトータルな生活デザインを伝えている。グッドデザイン賞受賞。山形エクセレントデザイン審査員、産地や教育機関での講演なども行い、多方面に活躍中。

小池 美紀 Miki Koike

PR &コミュニケーションディレクター|
株式会社ハウ 代表取締役

東京都出身。青山学院大学卒業後、都市銀行、外資系ファッションブランドを経て、株式会社ハウ入社、2012年より代表を務める。国内外のインテリア、デザイン、アート、建築、食、旅など、ライフスタイルを中心に、PR・マーケティング・広告業務を行う。また、近年は、日本各地の魅力を伝える活動に積極的に取り組んでいる。

日髙 一樹 Kazuki Hidaka

特定訴訟代理人・弁理士 /
デザインストラテジスト|
日高国際特許事務所所長

特許庁審査官、通産省課長補佐を経て1990年より現職。九州大大学院、芝浦工大、経産省ブランド戦略委員、特許庁産学連携デザイン契約委員長、グッドデザイン賞審査委員等を歴任。現在、京都工芸繊維大理事・特任教授、東京藝術大講師、金沢美術工芸大講師、グッドデザイン・フェロー等を務める。「経営と知財戦略」「開発リスクマネジメント」「知財契約」「デザイン思考型ビジネス論」等の講義及同視点から多数の企業や公的機関のサポートを行う。

坊垣 佳奈 Kana Bogaki

株式会社マクアケ 共同創業者 / 取締役

同志社大学卒業後、(株)サイバーエージェントに入社。子会社3社の創業や経営参画を経て、2013年(株)マクアケの立ち上げに共同創業者・取締役として参画。
主にキュレーター部門、広報マーケ、社外提携関連の責任者としてアタラシイものや体験の応援購入サービス「Makuake」の事業拡大に従事しながら、全国各地での講演や金融機関・自治体との連携などを通した地方創生にも尽力。ENECHANGE(株)の社外取締役にも就任。著書に『Makuake式「売れる」の新法則』。