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高透磁率材料パーマロイと板金加工技術

株式会社オータマ

アピールポイント

● 取り扱いの難しいパーマロイの加工技術。
● 磁界を集めやすく、すぐに手放すパーマロイの特性。
● パーマロイの加工性。

テーマ概要

パーマロイは鉄とニッケルの合金で、磁性焼鈍と呼ばれる熱処理をすることで磁界を集めやすい材料へと変化します。しかし、磁界を保持出来る力は小さく、パーマロイからすぐに離れていってしまいます。この「磁界を集めるが、保持することは出来ない」特性から、磁界に弱い装置用の磁気シールド部品や磁界を集めることを目的とした集磁部品として使われています。また、パーマロイは加工性も良く、板金加工、機械加工、絞り、塗装、メッキ加工など様々な形状に加工することができる材料です。取り扱いが難しく、衝撃などを加えてしまうと磁界を集める力が劣化するという弱点がありますが、弊社では長年の加工技術により特性を最大限発揮することが可能です。

特許・受賞歴・実績・クチコミ

2017-002221 磁気シールド部材、磁気シールド部材の製造方法及び磁気シールドパネル

Q.自社ならではの強み、他社との違いは?

弊社はパーマロイの材料調達、磁界に対する性能シミュレーション、加工、熱処理、検査を一貫して行える国内でも数少ない企業です。社内には工学博士も在籍しており、磁気専門メーカとして日々技術力の向上に取り組んでいます。製品を納めている国は日本だけではなく、韓国、中国、台湾、シンガポール、アメリカなど世界で活躍しています。

Q.いま抱えている課題は?目指していることは?

弊社が製作しているパーマロイ部品は半導体業界に大きく依存しています。ニッチな業界ということもあり、どこに需要があるのかも分からないのが現状です。新たな業界を見つけ、会社をさらに成長させることができればと考えています。

Q.提案に期待していることは?

「磁界をシールドする、集める」という他社にはない特殊な技術が強みですが、目に見えないところに使われることが多いです。形状は円筒や箱型がほとんどです。一部のオーディオ機器、時計に使用されることはありますが他はすべて工業製品です。弊社には今持っている技術をデザインする力はなく、自社製品もありません。デザイナーの力をお借りし、BtoB、BtoC向け製品を作り、新たな業界へ挑戦するきっかけや販路を作りたいと考えています。

Q.デザイナーとの協業に期待していることは?

デザインを取り入れることにより、自由な発想からパーマロイ材と磁界に対する新たな発見、磁気技術の発展が出来たらと考えています。また、弊社が取り扱っている製品は家族や友人に説明しても理解されにくいものです。世の中に求められる自社製品を作り、販売することにより社員のモチベーション、働く意義の向上につなげられたらと考えています。

審査委員よりコメント

パーマロイという素材をよく理解し、新しい用途の可能性とそのビジネスモデルの提案を期待する。ニッチな素材だけに、BtoB(toC)については、どの分野で展開するか、どのようなしくみでデザインが施されるか、誰に向けた広報をしていくのかなどを明確にした企画提案をおこなってほしい。

株式会社オータマ(稲城市)

設立58年の会社となります。設立当時からパーマロイを使用した磁気シールドを主な事業とし、半導体製造装置部品や医療機器部品の加工を行ってきました。磁界・パーマロイを専門で取り扱っている会社は少なく、国内で磁界の解析から設計、材料手配、加工、熱処理が出来るのは恐らく弊社のみとなります。

https://www.ohtama.co.jp/

社風

「打つ手は高く、頭(こうべ)は低く」という創業者の言葉で、高い理想を揚げ、難題に挑戦し続け、たとえ商売が上手くいっても驕り高ぶらず、謙虚な姿勢を愚直に貫くことを大切にしています。

自社製品・技術を通して、または企業として、社会で果たすべき使命(ミッション)や提供する価値など

弊社はパーマロイを用いた製品の「加工技術」「熱処理技術」「性能設計技術」の3つを持った国内唯一の企業であるという自負とともに、磁気応用科学分野の発展をサポートするという使命を果たしたいと考えております。

今後の夢や目標、将来構想など

ニッチな分野になりますが世界の磁気技術の発展を目指し、日本を代表する磁気シールドメーカーになりたいと強く思っています。
また、弊社で働くすべての人がやりがいを持ち、人生全てを楽しめる会社にしていきたいと考えています。

テーマ企業プレゼンテーション

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