2021年度 開催結果概要

最優秀賞・優秀賞が決定

最優秀賞

提案

特殊印刷加工技術を応用した
プロダクトと実験ブランド開発

歌代 悟(クリエイティブディレクター / デザイナー)

テーマ

広色域の印刷表現と
立体的質感を表現する「印刷技術」

株式会社新晃社(北区)

優秀賞

提案

光を使ったウェルネス
プロダクトの提案

井下恭介(デザイナー)、増谷誠志郎(デザイナー)
【SANAGI design studio】

テーマ

電子回路とプラスチックの
「設計・試作・加工技術」

泰興物産株式会社(立川市)

優秀賞

提案

資源循環を実現するサスティナブル・
アパレルブランド戦略

小林 諒(デザイナー/株式会社Onesal)
上田和実(プランナー/株式会社ナディア)
武市美穂(デザイナー/株式会社ナディア)

テーマ

さとうきびの搾りかすから生まれた
「サスティナブル素材」

株式会社Rinnovation(文京区)

商品化に向けて各社と
デザイナーの協働開始

テーマ賞

※審査の結果、以下のテーマは「該当なし」となりました。

11. 災害に強く安全性の高いビル外壁の「完全不燃化技術」

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提案最終審査 総評

東京ビジネスデザインアワードは今回で10周年を迎えました。過去数年審査委員として参加する中で、各提案のレベルは年々高くなってきていると感じていますが、とりわけ今年度の審査は実力伯仲、例年と比較してもクオリティーが拮抗(きっこう)していたとの印象を受けました。最優秀賞、優秀賞を受賞されたテーマ賞の提案はもちろん、その他テーマ賞を受賞された提案も素晴らしい内容であったことは改めて強くお伝えしておきたいと思います。
特に今年は企業、デザイナーともに「ビジネスデザイン」に対して高い解像度を持つようになってきているという印象を持ちました。その一方で、ビジネスデザインの部分がきれいに設計されているからこそ、相対的に付随するプロダクトデザインの落としどころが多少見えづらく感じたのも事実です。この二つを同時に高いクオリティーでまとめるということは一筋縄ではいかないものだなと、今年度の審査を経て改めて実感しました。
東京ビジネスデザインアワードは、審査員が審査会終了後も並走し、プロジェクトの行く末を見守るといういわば「家族感」のある大変ユニークなアワードです。このアワードを機会にマッチングしたデザイナーと企業が足並みをそろえ、共に希望を持って前にすすみ、より多くの成功例が生まれていくことを期待しています。

2021年度 東京ビジネスデザインアワード審査委員長    山田遊

2021年度
東京ビジネスデザインアワード
審査委員長 山田遊

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スケジュール

  • 2021年
    4月14日(水)

    テーマ募集開始テーマ募集のご案内については
    こちら>

  • 6月25日(金)

    テーマ募集締め切り

  • 7月上旬

    テーマ審査(参加企業選定)

  • 9月6日(月)

    テーマ発表&提案募集開始

  • 11月3日(水・祝)

    提案募集締め切り

  • 11月中旬

    提案一次審査
    デザイナーからの提案を
    企画書で審査

  • 11月下旬

    提案二次審査
    テーマ選定企業とともに、
    一次審査を通過した提案から
    「テーマ賞」を選定

  • 2022年
    1月上旬

    テーマ賞発表

  • 2月上旬

    提案最終審査&結果発表
    テーマ賞受賞者による
    プレゼンテーション、
    審査

  • 商品化・事業化

審査委員長挨拶

昨年春に起こった、新型コロナウイルス感染症のパンデミックは、今年に入ってもまだ終息の兆しは見えてきません。日本国内はもとより、世界中で人々の行動に変容が強いられている中、当然、企業活動も同様に、大きな変容が求められている、と言えるでしょう。

リモートワークの推進をはじめとした働き方の改革、急速な社会環境の変化に伴う、データやデジタル技術などの積極的な活用、環境問題に代表される、現代社会が直面する多くの課題への対応はもちろんのこと、事業自体においても、新たな分野への参入や、業態の転換などが求められている企業も少なくありません。

ただ、一方で「変容」すること、それ自体を前向きに捉える企業にとっては、自社が、社会に存在する意義を改めて問い直し、その上で、自社が変容するための準備期間として位置付けてみると、このコロナ禍の期間は、ある意味で絶好の機会と言えるのかもしれません。

東京ビジネスデザインアワードは、2012年に立ち上げられ、今年で節目の10年目を迎えようとしています。2010年代初頭は「デザイン思考」という言葉が、日本国内でも見聞きするようになった頃。数字のみを追いかけるだけでは、限界しか見えない状況下で、定量化すること自体が難しい企業が直面する課題を、デザインが定性的な観点から、企業経営の領域まで踏み込むことによって解決することを、企業とデザイナーのマッチングという仕組みによって、体現することを目指してきました。

そして、これからは企業やデザイナー問わず、市場における価値や、利潤のみを単に追求するのではなく、社会における存在意義を明確に問い直していかなければならない、と感じています。正に分岐点と言える時代の中で、新たに道を切り拓こうとする企業とデザイナー、双方のご応募をお待ちしています。

2021年度 東京ビジネスデザインアワード審査委員長    山田 遊

2021年度
東京ビジネスデザインアワード
審査委員長 山田 遊

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審査委員会

審査委員長山田 遊 Yu Yamada

バイヤー|
株式会社メソッド 代表取締役

東京都出身。南青山のIDÉE SHOPのバイヤーを経て、2007年、method(メソッドを立ち上げ、フリーランスのバイヤーとして活動を始める。現在、株式会社メソッド代表取締役。2013年「別冊Discover Japan 暮らしの専門店」が、エイ出版社より発売。2014年「デザインとセンスで売れる ショップ成功のメソッド」が、誠文堂新光社より発売。

石川 俊祐 Shunsuke Ishikawa

デザインイノベーション|
KESIKI INC. 共同創設者

ロンドン芸術大学Central St. Martins 卒。Panasonic Design Company、PDD Innovations UKを経て、IDEO Tokyoのデザインディレクターとして立ち上げに従事。その後、BCG Digital Ventures Head of Designを経て、現職。数多くのイノベーションプロジェクトに携わる。D&ADやグッドデザイン賞、全国各地のデザインセレクションなどの審査委員を歴任。近著として『HELLO, DESIGN 日本人とデザイン』(幻冬舎)など。「TCL-多摩美術大学クリエイティブリーダーシッププログラム」プログラムディレクター / 特任准教授。

宇南山 加子 Masuko Unayama

デザイナー、ディレクター|
株式会社SyuRo 代表取締役

東京都出身。デザイン会社として、株式会社SyuRoを設立。日本の伝統や職人の技術、また福祉施設と協働しながら、日常のオリジナルプロダクトも提案している。他社製品の企画やブランディング、インテリアのスタイリング、またホテルやレストランなどのディレクターとしても活動。素材感を活かし、シンプルながらも、日常と非日常、洋と和などの相対する狭間での空間ありきの提案を得意とする。オリジナルショップとギャラリーの運営をしながら、空気感を含めてトータルな生活デザインを伝えている。グッドデザイン賞受賞。山形エクセレントデザイン審査員、産地や教育機関での講演なども行い、多方面に活躍中。

小池 美紀 Miki Koike

PR &コミュニケーションディレクター|
株式会社ハウ 代表取締役

東京都出身。青山学院大学卒業後、都市銀行、外資系ファッションブランドを経て、株式会社ハウ入社、2012年より代表を務める。国内外のインテリア、デザイン、アート、建築、食、旅など、ライフスタイルを中心に、PR・マーケティング・広告業務を行う。また、近年は、日本各地の魅力を伝える活動に積極的に取り組んでいる。

日髙 一樹 Kazuki Hidaka

特定訴訟代理人・弁理士 /
デザインストラテジスト|
日高国際特許事務所所長

特許庁審査官、通産省課長補佐を経て1990年より現職。九州大大学院、芝浦工大、経産省ブランド戦略委員、特許庁産学連携デザイン契約委員長、グッドデザイン賞審査委員等を歴任。現在、京都工芸繊維大理事・特任教授、東京藝術大等講師、金沢美術工芸大講師、グッドデザイン・フェロー等を務める。「経営と知財戦略」「開発リスクマネジメント」「知財契約」「デザイン思考型ビジネス論」等の講義及同視点から多数の企業や公的機関のサポートを行う。

坊垣 佳奈 Kana Bogaki

株式会社マクアケ 共同創業者 / 取締役

同志社大学卒業後、2006 年に新卒で株式会社サイバーエージェントに入社。株式会社サイバー・バズの他ゲーム子会社 2 社を経て、2013年株式会社マクアケの立ち上げに共同創業者・取締役として参画。主にキュレーター部門、広報プロモーション、流通販路連携関連の責任者としてアタラシイものや体験の応援購入サービス「Makuake」の事業拡大に従事しながらも、様々な地方エリアでの講演や金融機関・自治体との連携などを通した地方創生にも尽力。また女性社員が多いマクアケでは、多様なライフスタイルを望む若い世代の活躍推進を意識した組織運営を推進している。