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生きた細胞をものづくりの材料に変える
「細胞ファイバ技術」

株式会社セルファイバ

アピールポイント

● 持続可能な社会をテーマとする、細胞を活用した世界初の技術。
● 「細胞をつかったものづくり」を可能にする細胞のひも。
● ファイバの太さ、長さ、色などカスタマイズ可能。食べることもできる安全な素材。

テーマ概要

髪の毛ほどの細さの透明なゲルチューブに、生きた細胞や微生物を閉じ込めた「細胞ファイバ」技術は、特許を取得した世界初の技術。細胞を工学(エンジニアリング)の領域で扱うための基本として「細胞ファイバ」を開発した。
規格化された繊維状の部品として、糸のように様々な構造を組み立てることが可能。開発の背景には、エネルギーや環境、食料問題など現代が抱える地球規模の課題がある。解決の糸口として、細胞が持つ可能性に注目。細胞は、決して人工的に作り出すことができない、物質・エネルギーの生産や変換を行う精緻なシステムを備えている。
このポテンシャルをエンジニアリングの領域で活用することで、将来的には持続可能な社会を実現し、様々な課題解決が可能となると考えている。

特許・受賞歴・実績・クチコミ

・特許(再許諾権付き独占実施許諾権)
 特願2011-536134/特許第5633077号 被覆されたマイクロゲルファイバ、WO2015178427A1 中空マイクロファイバ
・2019年1月 「JーTECH STARTUP 2018」のシード枠に選出
・2018年3月 リアルテックベンチャー・オブ・ザ・イヤー受賞

Q.自社ならではの強み、他社との違いは?

既存技術として、小さな粒子の中に細胞をカプセル化する技術は存在するが、特許を取得した世界初の本技術は、均一な太さの紐を作製できるという点で優位性がある。単体では扱いにくい細胞を繊維状のかたまりにすることでハンドリングがしやすくなり、ものづくり材料として利用できるようになる。

Q.いま抱えている課題は?目指していることは?

細胞や微生物に対して一種の抵抗を感じる消費者も存在する中で、誰もが手に取りたいと思うようなデザインやアイデアの必要性を感じている。
「細胞をつかったものづくりで地球に貢献する」というミッションのもと、今までにない製品を生み出し、現代の産業が抱える課題を解決したい。家庭、職場、趣味、ヘルスケアなど、産業だけでなく一人一人の生活に細胞・微生物製品が浸透し、社会がより便利で豊かになることを目指す。

Q.提案に期待していることは?

中核事業として、医療や創薬分野での研究開発を行っているが、もっと日々の暮らしに近いところにも細胞ファイバを普及させたいという想いがある。例えば、自宅やオフィスで観葉植物のように細胞や微生物を育てる新感覚インテリア。自力で動き回ったり、色が変化したり、発泡したり、五感で感じられる、いわば「観用細胞」が作製可能。将来的には購入者自身の細胞を利用したオーダーメイド製品も可能となる。その他にも、和洋菓子などのビジュアルを重視する食品素材としても非常に新規性が高く、消費者への訴求力があると考えている。
仕様の自由度は高く、太さや長さ、内包させるもの、色など、幅広いカスタマイズが可能。デザイナーの自由な発想力による、斬新な製品アイデアを期待する。

審査委員よりコメント

細胞や微生物という生きた素材が大変興味深い。提案はこの技術がもたらす新しい素材の用途とそのビジネスモデルという捉え方が望ましい。高度な技術と大学発ベンチャー企業の価値を上げるような提案を期待する。

株式会社セルファイバ

細長いひも状の細胞構造体を作製する技術「細胞ファイバ」の実用化を目指し、2015年に設立された東大発のスタートアップ企業。代表一人から始まり、大学発ベンチャーならではの困難を乗り越えて拡大。現在は、博士号を取得したメンバーを含む常勤7名の体制で研究開発に取り組む。細胞や微生物という生きた素材とものづくり技術を組み合わせ、医療・創薬・食品などさまざまな分野で新たな価値を生み出すことを目指す。
30代前半~半ばの研究者出身のメンバーが多く、各自が社内でのミッションを持ちながら自由研究にも取り組むことで、日々新たな成果が生まれている。

テーマ企業プレゼンテーション

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