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使用中の自然な緩みの無いナット

合同会社YSコーポレーション

アピールポイント

● 通常ナットが使用時に緩むのに対し、緩まないナットを開発。
● いろいろな緩みを再現し、有限要素解析を基に緩みの原理を発見。
● 緩まないという原理をもとに、すべての素材のナットに適用可能。

テーマ概要

有限要素解析(FEA)という手法を用いて2004年にねじの自己緩みの研究を始めました。その研究成果から自己緩みが発生する原理を見つけ出すことができました。原理がわかれば対策も打てる可能性が出てきます。今回検討している緩み止めナット/クラーケンナットは、その対策の一つとして開発したもので、ダブルナット型の形状をしており、非常に優れた緩み止め効果を持っていることがわかっています。

特許・受賞歴・実績・クチコミ

現在特許を申請中です。ナットを試作して緩み止め効果を調べました。緩み止め試験として一般的によく使われるNAS3350試験およびDIN25012試験を行い、その両方で有効な緩み止め効果が認められました。現状、この両方の試験に合格したナットは報告されていません。

Q.自社ならではの強み、他社との違いは?

自然に緩まない構造をもつナットを独自で開発。保守が困難な橋梁や建造物へのメンテナンスの負担を軽くし、人にも環境にも安全安心を提供したい。その思いを伝える新たな視点による丁寧なコミニュケーションデザインと販路普及に繋がるビジネスモデルの提案に期待する。

Q.いま抱えている課題は?目指していることは?

クラーケンナットは、まだ開発が終わり試作をして原理的に間違っていないことがわかった状態であって、これから商品化が必要です。まだ設計で詰める必要のある項目がありますし、製造会社の選定、販売方法や広報の仕方の決定などやるべき事項は多く残されています。しかし、弊社はほぼ1人で運営している会社であるため、知恵とマンパワーが不足しています。これからまずは多くの人に知ってもらい使ってもらうことが必要です。そして改良を加えながら世の中のナットの自己緩みを無くしていきたいと考えています。

Q.提案に期待していることは?

課題の項に記述しましたように多くの課題が残されており、できるだけ多くの解決策を見つけていきたいと考えています。また、商品化においては「使いやすく」、できるだけコストのかからない設計を行いたいと考えています。そして、できるだけ広い分野で使ってもらえるようにしていきたいと希望しています。デザイナーやプランナーの方からのご支援を強く期待するものです。

Q.デザイナーとの協業に期待していることは?

現状での最大の問題である知恵とマンパワーの不足を協業によって埋めることで、開発、設計、製造、販売など業務全体を進めていきたいと考えています。

審査委員よりコメント

自然に緩まない構造をもつナットを独自で開発。保守が困難な橋梁や建造物へのメンテナンスの負担を軽くし、人にも環境にも安全安心を提供したい。その思いを伝える新たな視点による丁寧なコミニュケーションデザインと販路普及に繋がるビジネスモデルの提案に期待する。

合同会社YSコーポレーション(武蔵野市)

弊社代表は大手エンジニアリング会社など5社を経て、2014年に弊社を設立。現在まで40年近い期間をFEA(構造解析)に従事してきました。そこで培った技術をもってお客様にFEAの受託解析やコンサルティング/社員教育などのサービスを主に展開しています。また、FEAのための「荷重」を計測できるソフトウェアTrue-Load の国内販売も行っています。緩まないナットの研究も継続して行っており、近年その開発に成功しました。

https://ys-corp.biz

社風

夫婦2名で経営している小さな会社ですが、高い技術志向を持っています。「リアル下町ロケット」がモットーで、三菱重工業を含む大手企業が主な顧客であり、下請けではなく技術的な指導的立場でお付き合いをしています。

自社製品・技術を通して、または企業として、社会で果たすべき使命(ミッション)や提供する価値など

ねじ(ナット)の自己緩みは、時として大事故を招き、人命を奪うこともありえます。また、自己緩みを防止するためにねじの締め直しなどが必要で、機器の保全や管理に多くのコストを必要とします。自己緩みの無いナットで、これらの問題を解決することが使命だと考えています。

今後の夢や目標、将来構想など

世の中からナットの緩みを無くし、安全で安心なシステムの構築に貢献していきたいと思っています。

テーマ企業プレゼンテーション

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