2023年度 開催結果概要

最優秀賞・優秀賞が決定

最優秀賞

提案

時を自在にデザインする真鍮ブランドの提案

榎本清孝(アートディレクター / プランナー)、村上麻衣子(デザイナー)
【株式会社トムテ】

テーマ

職人技で古美色を再現する
「硫化燻し加工技術」

株式会社富士産業(葛飾区)

優秀賞

提案

自然に優しいゴムと廃棄材を融合させた
プロダクトブランドの構築

土井智喜(デザイナー)
【soell株式会社】

テーマ

独自のゴム配合設計と幅広い加工技術

株式会社江北ゴム製作所(足立区)

優秀賞

提案

ワイヤーカット放電加工を活かした
アクセサリーブランドの提案

千頭龍馬(デザイナー)、梅村隼多(デザイナー)

テーマ

ワイヤーカット放電加工による
微細・精密金属加工技術

有限会社オクギ製作所(東久留米市)

実現化に向けて各社と
デザイナーの協業開始

テーマ賞

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提案最終審査 総評

ご参加いただきましたテーマ賞受賞の皆様、最優秀賞、優秀賞を受賞された企業およびデザイナーの皆様、本当にお疲れさまでした。そしておめでとうございます。

提案最終審査プレゼンテーションの中で、惜しくも最優秀賞・優秀賞には届かなかった提案でも、一部の点だけを見ればむしろ評価が上回っているものや、ビジネス的には実現性が高く、これは売れるだろうと想像できるものも複数ありました。
毎年審査を行っていると、年々、最優秀賞・優秀賞と、それらに選ばれなかった提案との差が拮抗していることを感じています。
その小さい差は何かというと、「ステークホルダーとの共創」という視点があるかどうかだと考えています。
本来、ビジネスデザイン、そしてデザイン経営とは、企業の経営者、デザイナーの双方がお互いの立場や考えを理解してともに事業を起こすものです。ですから、ステークホルダー全員、BtoBやBtoCといった業態を問わず、顧客を含めたサービス、プロダクト全体をともにつくり、共創する仲間であるという認識が必要になってきます。

この最終審査会はゴールではなく、スタートです。今後、審査委員一同は一年間ともに伴走しますので、一緒にプロジェクトをつくり上げる仲間と考えて、なんでもご相談いただきたいと思っています。

2023年度 東京ビジネスデザインアワード審査委員長    山田 遊

2023年度
東京ビジネスデザインアワード
審査委員長 山田 遊

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スケジュール

  • 2023年
    4月13日(木)

    テーマ募集開始
    テーマ募集のご案内については
    こちら>

  • 6月22日(木)

    テーマ募集締め切り

  • 7月上旬

    テーマ審査(参加企業選定)

  • 9月上旬

    テーマ発表&デザイン提案募集開始
    募集テーマ一覧はこちら>

  • 10月下旬

    提案募集締め切り

  • 11月上旬

    提案一次審査
    デザイナーからの提案を
    企画書で審査

  • 11月下旬

    提案二次審査
    テーマ選定企業とともに、
    一次審査を通過した提案から
    「テーマ賞」を選定

  • 2024年
    1月11日(木)

    テーマ賞発表

  • 2月8日(木)

    提案最終審査&結果発表
    テーマ賞受賞者による
    プレゼンテーション、
    審査

  • 商品化・事業化 実現化に向けて協業開始

審査委員長挨拶

コロナ禍の最中である2021年に東京ビジネスデザインアワードの審査委員長に就任して以来、今年で3年目の節目となりました。昨年、海外で勃発した戦争は、現地では今もまだ続いています。一方で日本国内では、ようやくウイルスと共存しながら過ごす日常を迎えており、今、振り返ってみれば、この3年間で、私たちが今生きる世界は、これまでのどの時代よりも急速に変化し続けている、という事実を改めて強く認識する機会になったと感じています。

社会のニーズが常に変わり続けているからこそ、ブロックチェーン、NFT、メタバースに代表されるようなWEB3、また、最近大きな話題となっている生成AIの発展など、デジタルを中心とした新たな技術や手法が次々と登場することで、幸か不幸か、企業活動はもちろん、私たち自身も常に変化し続けることが求められている時代と言えるでしょう。

国内の人口減少や低成長といった課題を抱えながら、環境問題や社会的多様性に配慮し、適切に対応していく。その上で、常に移ろい続けていく顧客のニーズを満たし、共感を得ることが、大小問わず企業活動の継続にとって重要な鍵となることでしょう。そして、それはとても困難なことであるかのように思えます。

そもそも、現代のビジネスは複合的で様々な要素から成り立っており、戦略的で綿密なデザインが必要とされているにも関わらず、産業化とそれに伴う資本主義の発展と共に、いつの間にか事業とデザインが分化され、あたかも全く異なる領域として扱われるようになりました。

12年目となる東京ビジネスデザインアワードは、今こそまた企業とデザイナーが一体となって、ビジネスを共創する機会を提供することで、困難を打破し、変化する時代の先駆けとなるような萌芽を見届ける役割を果たしていきたいと考えています。私たちにとっても学びの機会となり、着想を得るきっかけとなるような事例が、今年もこの場所から産まれることを強く願っています。

2023年度 東京ビジネスデザインアワード審査委員長    山田 遊

2023年度
東京ビジネスデザインアワード
審査委員長 山田 遊

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審査委員会

審査委員長山田 遊 Yu Yamada

バイヤー|
株式会社メソッド 代表取締役

東京都出身。
南青山のIDÉE SHOPのバイヤーを経て、2007年、method(メソッドを立ち上げ、フリーランスのバイヤーとして店舗の立ち上げをはじめ、国内外のモノにまつわる様々な仕事に携わる。現在、株式会社メソッド代表取締役、 武蔵野美術大学造形学部工芸工業デザイン学科客員教授、東京ビジネスデザインアワード審査委員長。2013年「別冊Discover Japan 暮らしの専門店」が、エイ出版社より発売。2014年「デザインとセンスで売れる ショップ成功のメソッド」が、誠文堂新光社より発売。

秋山 かおり Kaori Akiyama

プロダクトデザイナー|
STUDIO BYCOLOR

色や素材の持つ力を効果的に活用するデザイン事務所STUDIO BYCOLORを主宰。2002 年千葉大学工学部デザイン工学科卒業、オフィス家具メーカー勤務を経て現在に至る。iF Design Award, German Design Award、DFA アジアデザインGold賞、DIA Top100、グッドデザイン賞受賞、LEXUS NEW TAKUMI PROJECT2016 選出等。千葉大学にて非常勤講師、法政大学デザイン工学部にて兼任講師を務める。

谷口 靖太郎 Seitaro Taniguchi

デザインエンジニア / ディレクター|
Takram

2013年英国ロイヤル・カレッジ・オブ・アート修了。昼はデザインを媒介に先端的なテクノロジーを社会実装させる“イノベーションの探求”に務め、夜はDJや植物栽培、プラモデル・ソフビ制作など、カルチャーを狭く深く掘り続けている。主なプロジェクトに「Selforg」「Legmin」「Moon Rover」。受賞歴としてCORE 77 DESIGN AWARDSやグッドデザイン賞などがある。

日髙 一樹 Kazuki Hidaka

特定訴訟代理人・弁理士 /
デザインストラテジスト|
日高国際特許事務所所長

特許庁審査官、通産省課長補佐を経て1990年日高国際特許事務所設立。九州大大学院、芝浦工大、東京理科大、東京芸大等の講師、経産省ブランド戦略委員、特許庁産学連携デザイン契約委員長、グッドデザイン賞審査委員、京都工芸繊維大理事等を歴任。現在、京都工芸繊維大学長顧問・大学院特任教授、金沢美術工芸大講師、グッドデザイン・フェロー等を務める。
「経営と知財戦略」「知財・開発リスクマネジメント」「知財契約」「デザイン思考型ビジネス論」「3Dデータの知財マネジメント」等の講義を行うとともに同観点から多数の企業や公的機関のサポートを行なっている。

坊垣 佳奈 Kana Bogaki

株式会社マクアケ 共同創業者 / 取締役

同志社大学卒業後、(株)サイバーエージェントに入社。子会社3社の創業や経営参画を経て、2013年(株)マクアケの立ち上げに共同創業者・取締役として参画。主にキュレーター部門、広報マーケ、社外提携関連の責任者としてアタラシイものや体験の応援購入サービス「Makuake」の事業拡大に従事しながら、全国各地での講演や金融機関・自治体との連携などを通した地方創生にも尽力。ENECHANGE(株)の社外取締役にも就任。著書に『Makuake式「売れる」の新法則』。

宮崎 晃吉 Mitsuyoshi Miyazaki

建築家|
株式会社HAGISO代表取締役

群馬県前橋市生まれ。
2008年東京藝術大学大学院修士課程修了後、磯崎新アトリエ勤務。
2011年より独立し建築設計やプロデュースを行うかたわら、2013年より、自社事業として東京・谷中を中心エリアとした築古のアパートや住宅をリノベーションした飲食、宿泊事業を設計および運営している。hanareで2018年グッドデザイン賞金賞受賞/ファイナリスト選出など。