デザインは形や色を発想する商業の付加価値と捉えられてきましたが、本来のデザインは、複雑な状況から問題を解決してビジョンを生む「本質的な価値」を創造する力を持っています。
東京ビジネスデザインアワードでは商品の意匠だけではなく、用途開発・バリューチェーン・市場へ発信するコミュニケーション・知的財産という一連をトータルに考えてマネージメントすることで、企業の新しい価値をつくる事を目指しています。
アワード創設以来、この考え方は多方面から注目され、今の時代に求められていることを感じます。
デザインが他の分野を横断または連携してトータルソリューションを進めることで、市場に対して価値ある結果を生み出すことができ、企業にとって継続的な成果に繋がると考えます。
東京ビジネスデザインアワードでは、参加いただく多くの中小企業の方々が、質の高い経営姿勢と技術を持ち合わせていることに毎年感銘を受けています。これまで3年の開催で確信することは、開発を成功させる企業に共通する心の柔軟さや視野の広さ・決断力が、本来のデザイン価値を認識している先進的なデザイナーと響き合い相乗効果を作ることで、魅力あるビジネスを生むのだということです。
東京ビジネスデザインアワードでは、継続的で質の高い成果を生むため、受賞後1年間をサポートする体制で今年も皆様の応募をお待ちしています。
2015年度 東京ビジネスデザインアワード審査委員長
廣田尚子