09

紙のように使える高耐水性エコ素材

有限会社アールコーポレーション【北区】

テーマ概要

90年代に台湾で生まれた“ストーンペーパー”を源流にいくつもの製品が誕生。日本にも何種かあり、その一つが弊社がOEMとして作った新素材「HAQUR(ハクア)」です。弊社は5年前に中国の工場でこの“ストーンペーパー”を知り、何年もかけてこれを改良し、自社のオリジナルブランドとして発売を開始しました。弊社を含めた印刷業界全体の問題として、近年のインターネットやスマートフォンの普及、またペーパーレス化の流れにともなう、従来紙への印刷需要の大幅な低減が挙げられ、年々加速しています。この問題に対する当社の取組みが、“ストーンペーパー”「HAQUR(ハクア)」の活用です。最初にシート状のものを知り平面で製品を作ったが、立体物としての可能性も活かしていきたいと思い、3Dプリンターフィラメントとして利用検証済みです。

テーマのアピールポイント

● 紙と同様に印刷、折り、糊付けが可能で、油性マジックで裏写りしない高い防水性能。
● プラスチックの代替として使用すると最大80%プラを削減できる。
● 木材、製造時の水を一切使用せず、燃焼時にCO2を吸着する。

テーマとなる技術や素材についての課題や悩み

● コシがなく、汚れが付着しやすく、金属と擦れると跡がつく。(インクが乗ると問題なし)
● 脱プラ・減プラに有効な素材だが、その有効性にコストをかける価値を理解してもらえない。
● 洋服のタグのループタイなど立体については、なかなか採用とならない。

提案やマッチングに期待することや、
理想とする展開例があれば教えてください。

脱プラ・減プラに有効な価値のある素材だが、まだ日本ではその有効性にコストをかけられないユーザーが多い。国内ではまだ脱プラスチックについての法的な縛りがあまりないのでSDGsや脱プラというより「防水性」や「裏写りのなさ」を打ち出した商品展開をしています。しかし、今回のアワードでより広く「HAQUR(ハクア)」が周知されれば、環境意識が特に高い企業にも知っていただけると期待しています。また、今年の秋より米国Amazonに出店する計画を進めており、同素材のペレットによる立体物の良い企画があれば環境意識の高い欧米に対して積極的にアピールしていきたいと考えています。

企業情報

有限会社アールコーポレーション(北区)

代表の舘は中国の福建省で生まれ育ち、18歳で日本に留学。日本の大学を卒業後日本国内の貿易会社勤務を経て、2004年に創業。貿易の経験を活かし、自宅で印刷資材の貿易を行う。その後、不動産広告用の間取り図や地図などの制作を受注。その後取引先の印刷業者から機材と従業員を引き継ぎ、企画・制作からオフセット印刷まで一貫して請け負う体制を構築。現在は印刷および制作事業を主軸に、“本業の印刷”を活かしつつ「既存のことに付加価値を付ける方法」を探すうちに、環境にやさしい防水新素材に出会ったのが「HAQUR(ハクア)」のはじまり。印刷業者としてはワンストップで納品まで行うことと、納品の速さを頼りにしていただいております。

http://rcorpjp.com/

特許・受賞歴・実績・クチコミ

2019年 石灰石を主原料とする防水新素材を自社のオリジナルブランド「HAQUR」商標登録
2020年8月 HAQURを使用した「おふろノート」日本文具大賞 機能賞受賞
環境省「プラスチック・スマート」にHAQURペレットがプラスチック代替素材として登録

回答者 舘 正子さん

社風について教えてください。

30代〜50代が在籍。和やかで意見を率直に伝えられる環境です。会社の思念は「付加価値をつけること」であり、社員一人一人の動きも、ちょっとした気遣いや一歩踏み込んだ提案、サービス精神など付加価値を意識しております。

自社ならではの強み、
他社との違いは何ですか?

新しいことに踏み込む時のチャレンジ精神を持ち、なんでもやってみる。すぐにやってみるという点が強みです。貿易事業が印刷業につながり、それが海外での温泉業や旅行代理業にもつながっています。そのチャレンジ精神で今まさに取り組んでいるのがHAQURです。

現状社内で抱えている、本テーマ以外の課題や悩みはありますか?

当社を含めた印刷業界全体の問題として、近年のペーパーレス化の流れにともなう、従来紙への印刷需要の大幅な低減が挙げられます。主軸業務の一つである不動産広告の受注量は減少傾向にあり、今後増えることはないと思われるため、新たな事業や商品を生み出すことに注力しています。

自社製品・技術を通して、または企業として、社会で果たすべき役割や使命は何ですか?

環境対応型素材HAQURを活用することにより脱プラ・減プラ、また温室効果ガスの排出抑制で社会に貢献したい。縮小する印刷業界の中で、新たな素材での印刷物という新たな選択肢を提供することで業界自体に波及効果を及ぼしたいと考えます。

今後の夢や目標、構想していることがあれば教えてください。

手に取ってみたらHAQUR製品だった、というような生活に身近な存在となること。Made in Japanを海外にもっと広げていきたい。

テーマやテーマ企業についてのキーワードデザイン提案を検討するにあたり、ぜひ情報収集にお役立てください。

ストーン紙、無機鉱物粉末、印刷加工、脱プラスチック、環境配慮、防水性、代替素材、北区、中小企業、デザイナー、東京都、TBDA、東京ビジネスデザインアワード、デザイン、ビジネスデザイン、デザイン経営、ブランディング、新規用途開発、事業承継、日本のものづくり、ものづくり、BtoB、BtoC、自社ブランド、自社製品、パーパス

テーマ企業プレゼンテーション

↑

この企業のインタビュー記事を読む