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ワイヤーカット放電加工による微細・精密金属加工技術

有限会社オクギ製作所

アピールポイント

● 精密・微細な形状加工が可能。
● 金属であれば基本的に加工可能(金・Ptなど加工実績あり)。
● 異なる金属でも嵌め合わせることが可能。

テーマとなる技術や素材について悩んでいること

● 加工に時間がかかってしまい、低価格化が厳しい。
● プラスチックや樹脂は加工ができないこと。
● 基本的に貫通加工なこと。

テーマ概要

弊社は、プレス加工事業を進めていく中でプラスチック板のプレス加工に取り組み始めました。その加工に必要な金属(主に鉄)部品の寸法精度は、0.001mm単位。真摯に向き合った長年の努力の結果、高精度の加工技術を獲得するに至りました。プレス加工が海外に移転していく流れから、既存の鉄の高精度加工技術を応用し、現在ではさまざまな金属にも同様に対応できるよう高精度加工技術を磨いています。さらに微小な加工を正確に行うためには、正確に測る・見る技術が欠かせませんが、弊社は他社に比べて測定機器・観測機器を多数所持しているため、それを可能としています。

特許・受賞歴・実績・クチコミ

ワイヤーカット微細加工が「東久留米ブランド認定証」に選出。
金属のジグソーパズルは、東京都東久留米市の「ふるさと納税返礼品」に選ばれました。
また、業界雑誌の型技術特別号にて放電加工に関する記事を寄稿しています。

Q.自社ならではの強み、他社との違いは?

細線(直径0.03mm)を使った金属加工の経験が豊富であること、微細精密な金属加工に長けていることが弊社の特徴です。他社でも同様の加工機は保有していますが、微小物の加工の際には通常では発生しない問題が起こることがあります。弊社ではこれまでのノウハウから対策を講じたり、測定・観察力を活かして問題発生時もスピーディーに解決しています。

Q.いま抱えている課題は?目指していることは?

社員の高齢化が特に喫緊の課題で、従業員の採用を行いたいと考えています。また、加工は日中終わる加工がほとんどのため、平日夜間や週末は加工機を停止しています。本来は夜間も稼働させたいところですが、リピート率の高い依頼や大量受注の案件が少なく、効率的な加工機の使用ができていないことも悩みの一つです。

Q.提案に期待していることは?

平日夜間や週末でも加工可能な製品や、部品加工を狙っていこうと考えております。toC販売の経験はほとんど行ったことがありませんが、海外富裕層に向けた高付加価値製品を作りたいと考えています。また、親族に百貨店に出店している小売りの代表がいるため、販売に向けた相談なども可能です。細い線を利用することで、デザイン性の高い形状加工ができる強みを活かした、新しい発想に期待します。

Q.デザイナーとの協業に期待していることは?

これまで、弊社は下請けとして望まれた図面の部品を仕上げることに集中していましたが、今回の協業では、この加工方法でこんなすごいことができるんだ!と驚いてもらえるようなものづくりができればと思っています。そのため、製作段階で少しでも実現可能性があればチャレンジしていきたいと考えています。

有限会社オクギ製作所(東久留米市)

弊社は他社が断るような依頼品を多く引き受けております。そのため、一度依頼をいただいたお客さまからは再度別のご相談をいただくことも多いです。また、業界・企業が多岐にわたっているため、比較的安定した成長を遂げております。弱みとしては2点あり、設備に費用をかけているため加工単価をどうしても高く設定せざるを得ない点と、研究や試作が主なのでリピート性のある依頼がほとんどない点です。社内には「型彫り放電加工機」というものもあるため、凹加工も可能となっています。

https://okugiss.jp/

社風

一番若い社員が本アワードの担当者で30代ですが、他の社員は50~70代の社員です。加工難易度の高い依頼を多く手がけているため、チャレンジングな内容であっても、社員全員で協力しようという社風が根付いています。また、社内に安価な3Dプリンターを設置しており、新しい技術への理解を深めています。

自社製品・技術を通して、または企業として、社会で果たすべき使命(ミッション)や提供する価値など

弊社は「先端技術の屋台骨になる」ことをミッションと掲げています。その使命のためにも、先端技術を世の中に広く知ってもらう活動も弊社の目的であると考えます。

今後の夢や目標、将来構想など

今後は、研究所・大学などから「オクギ製作所に依頼すれば、何とかしてくれる」と思ってもらえるような企業に成長させたいと考えています。

テーマ企業プレゼンテーション

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