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メイド・イン・TOKYOの職人技「ソール製造加工・貼り合わせ技術」

株式会社オノザキ

アピールポイント

● ゴムなどの素材から靴の本底を製造・加工できる職人とファクトリー。
● 多品種小ロットに対応可能、1デザイン1足の生産ができる仕組み。
● 多数の靴メーカー取引で培った想像力・形にする力・クオリティ。

テーマとなる技術や素材について悩んでいること

● 靴のソール以外の新しい業界に向けたものづくりが実践できていないこと。
● 簡素なソールオーダーが増え、手間をかけた技術の承継ができないこと。
● ゴム以外の素材加工へのチャレンジができていないこと。

テーマ概要

靴の本底は、ゴムの裁断から石(シェイビングストーン)を使用して削り、磨き、貼込、塗装、刻印、という流れで製作します。石には種類がいくつかあり、組み合わせることで、本底の雰囲気を変えることが可能です。この加工技術を使った新しい商品の開発を行い、靴以外のマーケットに投下し、魅力的な新事業として構築できれば幸いです。素材についてはゴム以外の素材についても視野に入れています。近年、靴業界で使われることの少なくなったものづくりの技術を維持し、新しい職人に承継をしたいと願っております。

特許・受賞歴・実績・クチコミ

かゆいところに手が届く社内体制があります。毎日の朝礼により生産・営業の連携が取れているため、顧客の希望に合わせた納品ができ、非常に重宝がられています。

Q.自社ならではの強み、他社との違いは?

弊社は靴ソールメーカーであり、中底やヒールを揃え、ワンストップでお届けする靴材料総合商社として便利がられています。また、関連会社の有限会社アクストは靴メーカーで、靴のオーダーメイドサロンを運営しています。顧客の希望を吸い上げる仕組みと靴パーツを作れる工場がうまくリンクし、機能性を高めた新作ソールの商品化に成功しています。
浅草でも靴の本底加工工場を持つ会社は3~4社程度まで減少している中で、70年を超える業歴があるため認知度はかなり高く、新しいことにチャレンジできる体力と柔軟性のある会社は弊社だけと自負しています。

Q.いま抱えている課題は?目指していることは?

1.高齢化、OEM生産メインでは利益が取れず、コロナによる注文減少・高齢化を理由に外注先が多く廃業しました。
2.材料費の高騰、靴に関わる全ての部材、ゴム、プラスチックの一斉値上げにも関わらず、値上げを受け入れないメーカー・問屋も多く、利益がより薄くなっています。
3.ソールの簡素化、海外製品の価格に対抗すべく、近年はソール加工は簡素化・コスト減が基本です。これが続くと手間をかけた本底加工技術の承継ができないことを危惧しています。

Q.提案に期待していることは?

当社はこれまで一貫して靴業界のものづくりを実践してきましたが、業界の枠を超えて、靴以外の何かでこの技術を活かしたいと考えるに至りました。新しいけれど、奇抜ではなく、サンプルから生産にスムーズに移行できる実用的な商品になればありがたいです。靴はシーズンものですので、工場の閑散期を埋められる、ライン稼働に貢献できる商品を希望します。

Q.デザイナーとの協業に期待していることは?

上記した通り、マーケットが小さくなっていく靴業界の大きな課題としては、高齢化、材料費高騰、ソールの簡素化です。ただ今後、メイド・イン・東京のものづくりに大きな価値が見出される時代になると予想していますので、エモさ満載のファクトリーのポテンシャルを活かした何かができると嬉しいです。
当社が目指したいことは、靴以外の業界にも進出すること。新しい視点で、見えなかった世界が見えるような経験を期待しています。

株式会社オノザキ(台東区)

1952年に浅草で靴のヒールの卸売会社として創業。後に本底の製造工場を設立、顧客である靴メーカーの要望から中底の卸売も開始し、いわゆる「靴の材料パーツ」をすべて揃えるワンストップの供給体制を構築しました。そこから靴材料総合商社としての歩みが始まり、今に至ります。ご要望にお応えするために「面倒な仕事こそとってくる」姿勢を徹底したことが、浅草で70年やってこれた理由と自負しています。仕入先・得意先にもとても恵まれていると感じています。

https://onozaki-japan.com/

社風

年齢層は高く、ほとんどが60代のシニア層ですがとても明るく前向きで、ものづくりへの姿勢は真摯、積極的、何でも面白がれる柔軟な職人たちです。また古い業界なので、癒着や誘惑も多くありますが、常に実直、真面目を心掛け、クリーンな仕事を続けてきました。

自社製品・技術を通して、または企業として、社会で果たすべき使命(ミッション)や提供する価値など

【ミッション】
ものづくり、体づくり、人づくり
【クレド】
1.わたしたちは、利益の追求よりも、お客さまの足と体を最優先に考えます。
2.わたしたちは、ひとりでも多くの人が「健康な足で歩き続ける」ことをサポートします。
3.わたしたちは、自分に与えられた能力を信じ、常に前向きに取り組みます。

今後の夢や目標、将来構想など

靴を取り巻く高い加工技術をより多くの人に知っていただきたいと考えています。靴のソールは、靴の一部であり完成品とはなりえません。メイド・イン・東京の商品として、完成品を世に出したいと考えています。

テーマ企業プレゼンテーション

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