創業当初からOEMを中心に生産をしてきましたが、昨今ベルトレスのスタイリングが台頭し需要が落ち込み、廃業の道に追い込まれたベルト製造業者も少なくありません。そんな状況を打破すべく、2020年本革で伸縮するベルト「くつろぎリラックスレザーベルト」を独自開発。一見通常の本革ベルトですが、心材として袋織ゴムを使用することで最大5cm伸縮し、ウエスト周りのストレスを緩和するだけでなく、ベルト穴のダメージを軽減。革本来の風合いを長く楽しめます。現在はベルトに適した帯幅2~4cmでのラインナップで、国内外問わず伸縮機能に適した本革を選定しています。帯幅は自由に変えられ、本革にエンボス加工やバフ研磨による艶上げなども可能です。革の裁断から縫製、タグ付けまで作り手が真心を込めて一貫製造することで、精巧で温かみのある商品を提供しています。
● 本革で伸縮する技術を独自開発。
● 製品完成まで職人が真心を込めて一貫製造。
● 本革を使用し、長く使い続けられる製品づくり。
● ウエストベルトに捉われない伸縮技術の汎用。
● ベルト製造後に発生する余った本革の新しい活用方法。
● 技術継承を大切にしてきた故に、新しい発想を取り入れにくい。
独自開発した“本革で伸縮する技術”は、数年かけて“長沢ベルト”を認知していただけるパワーワードとなりました。この伸縮する技術をウエストベルトにとらわれずに汎用し、認知の向上を期待したいと考えています。また、材料は本革のため、それぞれの形や肌触り、キズが生きた証として残っています。一本でも多く製品にしようと努めていますが、ベルトとして使えない部分が余り革とし残る現状があります。(現在は、本革のケース・革蓋・革の靴ベラ・革のしおり、伸縮ベルトのパッケージに使用。)余すことなく使えるよう、サステナブルの観点からも新しい活用方法を模索しています。今回の協業においてもエンドユーザーに長くお使いいただくことを見据え、修理やケアのアフターフォローをしながら、お客さまに寄り添うものづくりをしていきたいと考えています。
企業情報
1967年6月の創業から半世紀もの間、服飾ベルトなど、主に本革を使用した製品を手がけている。従業員8名中6名の職人を抱え、創業当時から変わらぬ製法を用いて手作業による製造を行う。作り手一人ひとりが責任を持ち、チームワークによって使用者を満足させるモノづくりを追求し日々業務を行っている。主にアパレルメーカーOEMを中心に提案から納品まで一貫した生産体制を築いており、また2020年からは自社開発商品の伸縮する「くつろぎリラックスレザーベルト」を展開し、BtoBからBtoCまで幅広く販売している。
http://www.nagasawabelt-kougyo.jp/
・2020年 東京TASKものづくりアワード2020優秀賞
・2020年 葛飾ブランド「町工場物語」認定
・2020年2月 実用新案登録
・2021年 葛飾区新成人へ「くつろぎリラックスレザーベルト」寄与における感謝状
回答者 長澤 猛臣さん 押尾 泰廣さん
年齢層は30代~60代。アットホームな雰囲気を大切に、チームワークを発揮できる環境を目指している。また作り手自身に製品レベルを管理させ、社内全員で出来具合を共有し、日々レベルアップを図る様に努力している。
社内一体となったチームワークとベルト作りの発信です。ベルトというアイテムに誇りを持ち、自分たちが作り上げた自信作をお客さまへ伝えられるような環境づくりにチャレンジしています。今日まで、量産されるベルトに関しては作り手の思いがあまり語られておりませんでした。弊社はこの点をしっかりと発信し、ベルト工場の存在を知らない方々に発見と興味を持っていただくように努めております。
事業承継問題です。1代目の思いと2代目の思いを融合させる大変さに直面しております。また、技術の継承に向けた人材確保及び育成は、どの町工場でも最たる問題です。弊社はベルトというニッチなアイテムのため認知度が薄く、どのようにしたら若者の心をとらえることができるのか悩んでいるところです。
ベルトは縁の下の力持ちであり、陰ながらこれからも皆様のお役に立てるアイテムです。ベルトに価値を見出し、絶やすことなく貪欲に作り続けること。時代が流れても自社の培った雰囲気を継承し、そしてお客さまのお役に立てる様に進化させること。機械製品では表現できない、人の手のぬくもりあるベルトを生み出す工場として、これからも存続させることが使命だと考えております。
東京葛飾区の古き良き町工場の面影を残し、日本のものづくりはここにあり!を大きく謳える小さな集団を築きあげていきたいと思います。工場を拡張せずに限られた生産キャパシティーの中で作り上げられる製品の価値を追及し、お客さまと寄り添うことのできるプロ集団を目指します。
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