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試作から最終製品までを1台で任せられるハイエンド3Dプリンター

株式会社アスペクト

アピールポイント

● 3Dプリンター、特にPBFは切削や成型ではできない複雑形状が可能。
● 使用可能な材料が17種類あり、世界で弊社しか使用できない材料のうち9種が使用可能。
● PBFは生産性、物性に優れているため最終製品を造ることが可能。

テーマとなる技術や素材について悩んでいること

● アプリケーション開発が難しく、世界から見てもまだ例が少ない。
● 日本のシェアは世界の1/10にも満たない、特にモデリングの人材不足。
● 弊社は広告宣伝が不得意な会社であり、高い技術力に反比例している。

テーマ概要

1980年に日本人によりその原点が開発された3Dプリンターは、昨今ではSDGsやカーボンニュートラルを実現するために必要不可欠と言われています。
3Dプリンターは試作から最終製品にまで用いることができて、多品種少量生産を行うことに優れています。例えば補給部品、スペアパーツからカスタムパーツやオリジナリティ溢れる形状の最終製品を造形することに適しています。3Dプリンターの市場は2021年の21億米ドルから成長し続けており、2026年には52億米ドルに達すると予想されています。そのような中でも弊社は96年の設立以降、着々と技術を磨き続けハイエンド3Dプリンター(PBF)の国内唯一のメーカーとして営んでいます。

特許・受賞歴・実績・クチコミ

・特許取得…累計34個(海外は5個)
・商標取得…累計18個(海外は6個)
 (それぞれ装置、材料を含む)
世界でも弊社のみ:PPS(絶縁性、難燃性、高剛性、耐薬品性、耐熱性)、PFA(耐薬品性、難燃性、耐熱性)、POM(動性、耐摩耗性、耐薬品性)、PBT(絶縁性、耐熱性、耐薬品性)など
国内では弊社のみ:PP(靭性、耐薬品性)、PA6(耐薬品性、高剛性)、PA12FR(難燃性 V-0を取得)など

受賞歴…
2012年11月 「東京都ベンチャー技術大賞」受賞
2013年12月 多摩信用金庫「多摩ブルー・グリーン賞」ブルー優秀賞受賞
2016年10月 「勇気ある経営大賞」優秀賞受賞
2017年2月  企業価値認定授与

Q.自社ならではの強み、他社との違いは?

弊社の強みは国内唯一のPBFメーカーであること、用いる技術の要素が多すぎて他社では装置開発を行うことができないことが挙げられます。
加えて材料種類の多さにも特徴があります。現在は17種類を使用でき、世界でも弊社装置でしか使用できない材料が9種、国内でも弊社だけが使用できる材料が4種あります。現在でもさらに生産性と造形精度を上げるために、複数の国プロに参画して装置開発、材料の研究を行っています。

Q.いま抱えている課題は?目指していることは?

業界としては①世界と比較して日本のシェアは1/10に満たないこと。②日本で生まれた技術が試作用途の域を出ず、利用率の上昇が低いこと。③キラーアプリケーションがまだ少ないため、ビジネスモデルに乏しいこと。④モデリングができる人材の不足。⑤3Dプリンター技術者の少なさ、学問への確立ができていないこと。弊社としては①広告宣伝を苦手としており、高い技術、材料種類の売り込みが甘いこと。②マーケティングも得意とは言い難いこと。が挙げられます。

Q.提案に期待していることは?

自由な発想から新しいものづくりに挑戦をしてもらいたい。2014年ごろから国内でも3Dプリンターの報道が多くされたが、当時は「何でもできる魔法の箱」とした間違った報道に留まってしまいました。3Dプリンターにも当然できること、できないこと、メリットとデメリットがあります。まずは加工方法の1つであるという勉強から始めてもらい、その上で長所を最大限に活用したデザイン・モデリングに落とし込んでもらいたいと考えています。3Dプリンターのメリットの1つは、「挑戦がしやすい」ことです。

Q.デザイナーとの協業に期待していることは?

アプリケーション開発、新規デザイン・モデリング、DfAMや形状最適化の活用をデザイナーの方には期待しています。3Dプリンターの中でPBFは生産性が高く、既存技術では成しえない複雑な形状を再現することができます。加えてモデリングの変更も最小で済むため、挑戦することにも適しています。国内のデザイナーで3Dプリンター、特にこのPBFを用いている人はまだほぼ存在していないため、ファーストペンギンとしてたくさん活用していただきたいです。

株式会社アスペクト(稲城市)

1996年11月に国内初のPBF装置の代理店として創業、2008年にメーカーへ転身し国内唯一のPBFメーカーに。主たる業務内容は、「PBF (粉末床溶融結合)方式のハイエンド3Dプリンター開発・販売・保守」「カスタマイズ・ソフトウェア開発」「粉末樹脂材料開発」「販売・装置を用いた受託造形サービス」「AM技術の用途開発・共同研究開発」です。

https://aspect.jpn.com/

社風

開発に対して意欲的であり、常に新しいことを求める社風です。
「ACCEで行こう」・・・Anticipation(予想予測)、Concentration(集中力)、Contribution(貢献)、Endeavor(努力)

自社製品・技術を通して、または企業として、社会で果たすべき使命(ミッション)や提供する価値など

社是は「公明正大、誠実」
今年の社内キーワードは「真心」

今後の夢や目標、将来構想など

日本のものづくりに新しい土台を作り上げることです。日本の技術力は年々低下していると考えて良く、海外に遅れをとる一方ではないでしょうか。判断が遅く、挑戦がし辛い国内のものづくりを、3Dプリンターの技術でもう一度巻き返したいと考えています。

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