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金属切削による高精度な軸物加工

株式会社開工精機製作所【板橋区】

テーマ概要

金属材料を削って加工する技術です。自動車メーカーの研究開発部門と長年に渡り直接取引きし、エンジンの試作部品を加工しています。金属丸棒材料や鋳造材から、主に旋盤と呼ばれる工作機械を使用して軸形状の部品を削り出します。ボルトやジョイント等の手のひらサイズの部品や、全長500mm程度までのシャフト形状の部品加工が得意です。いわゆる小規模な“町工場”の形態ですが、小規模であるメリットを生かしユーザーとのコミュニケーションを重視して、試作加工の精度・品質をもって対応しています。手動式の機械とコンピュータ制御の機械の両方を活用して、職人の技能を生かした仕事をしています。

テーマのアピールポイント

● 工作機械(旋盤)を用いた金属丸棒からの精密切削。
● 精密な作り込みで削り出し品ならではのフィニッシュも特徴。
● 小規模な所帯ゆえ小回りが利き、顧客要望に柔軟に対応可能。

テーマとなる技術や素材についての課題や悩み

● 下請け業態にて発注企業次第の受注量や単価水準が悩み。
● 特定分野かつ、一社依存が長かったため、守備範囲が狭い。
● 大規模同業者には設備・技術が及ばず社内リソースが限られる。

提案やマッチングに期待することや、
理想とする展開例があれば教えてください。

これまでは限られた業界・分野の中で下請けの業態で事業を営んできました。現状急激にシュリンクしている“自動車エンジン(内燃機関)”に依存してきたところから事業を再構築する必要性にかられています。新しい自社製品的なプロダクトの開発はもとより、加工業者として提供できる新しいサービスもあるかも知れません。デザイン人材の方々の外部からの視点で、新しい企業価値を創造するためのビジネスモデルの提案に期待したいです。

企業情報

株式会社開工精機製作所(板橋区)

先々代が戦前に創業して以来ずっと金属加工の仕事をしてきました。昭和39年からはクルマメーカーの研究開発部門との直接取引を開始して現在に至ります。扱う金属材料はいわゆる鉄系に限らず高合金鋼やステンレス、アルミニウムや銅合金などを加工対象とします。旋盤加工では寸法が厳しい箇所は1/100mm単位の寸法管理が必要になります。一方で加工後のバリ取りや面取りなどの手仕上げの工程もしっかり対応します。

https://kaiko.co.jp/

回答者 伏見 伸一朗さん

社風について教えてください。

30代、40代、50代で構成。自由な社風でお互いに過干渉せず、ほど良い連帯感。長年の一社依存から現状に対する危機感はあるものの、急激な変化を敬遠する傾向も。情熱的に会社全体を巻き込むようなバイタリティには欠けるかも知れません。

自社ならではの強み、
他社との違いは何ですか?

ユーザーとのコミュニケーションを重視して、小規模ゆえの小回りの良さで顧客要望に対応します。シンプルな機能の機械になりますがミニマムな設備を一通り揃えて、リーズナブルなコストで高精度な加工技術で対応します。小ロットのものでも引き受けます。急な仕様変更などにも柔軟に対応可能です。

現状社内で抱えている、本テーマ以外の課題や悩みはありますか?

社内体制も再構築中です。少人数とはいえ各社員の考え方や方向性・適性には違いがあり、どのような形で皆の力を発揮してもらうのが最適か模索は続きます。厳しさを増す経営状況の中で限られたリソースをどう回して行くのか、設備の拡充・活用も合わせて悩ましいです。

自社製品・技術を通して、または企業として、社会で果たすべき役割や使命は何ですか?

社会の中で無くてはならない “ものづくり” を縁の下で支える一員として、将来に渡り持続的に存続し社会に貢献する。社内にも社外にも利益を提供する企業として存在したい。

今後の夢や目標、構想していることがあれば教えてください。

いわゆる下請けの業態の現状から脱却して、メーカー・サプライヤーとしても技術・価値を提供できる存在になりたい。取引先とも対等の立場で、頼られ選ばれる存在になりたい。

テーマやテーマ企業についてのキーワードデザイン提案を検討するにあたり、ぜひ情報収集にお役立てください。

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