● 改修工事における自社オリジナルの完全不燃化工法。
● 800℃の高温化でも十分な固定力がある。
● 災害に強く、社会インフラの安全の確保が可能。
従来よりビル外壁の改修技術として、エポキシ樹脂注入工法とポリマーセメントスラリー注入工法があったが、いずれも300℃以上の温度でその固定力は著しく低下してしまう。特にエポキシ樹脂の固定力は290℃でゼロとなってしまい、火災に対する備えにはまったく適していない。それに対し、当社が提案するセメントスラリー注入工法は、可燃性であるエポキシ樹脂の替わりに不燃性材料であるセメントスラリー(セメントと水との混合液)を注入剤として採用することで、800℃の高温下でも壁面への固定力は十分に確保できることに加え、完全な不燃性を実現した。
特許に関する内容全てが、当社オリジナルの考えである。現在、セメントスラリーによる注入技術は、日本で唯一当社のみ。
平成23年4月18日 特許活用優良企業賞(経産省)
平成26年4月15日 科学技術賞(文科省)他8件
自社の技術を普及するため、全国に120社にのぼる施工会社の団体「FST工業会」を組織している。本工法に使用する材料、機械の全て当社が制作した物である。
100%可燃材を使用して施工を行っている現在の市場に対し、本製品の趣旨を主張し営業活動をした場合、なかなか受け入れてもらえない現状がある。当社の技術が広く使われるようになれば、火災や地震といった災害時にビル外壁が燃えたり、剥がれ落ちたりなどの被害を最小限に抑えることが可能である。
災害時の避難経路や緊急輸送道路沿いの建物、病院、多くの人々が集まる避難建物などの仕様に採用されることを目指す。そのために、この技術の存在を広め採用率を高めていきたい。
現在、行われている施工技術が決して最良の方法ではないということ、より最善な方法があるということを一般の方々や公的機関の方々に知らせる手段を模索している。自社保有の技術の伝え方、広報戦略などを中心に、より多くの人に興味を持ってもらえるようなビジネスデザイン提案に期待している。
平成18年2月設立。従来より行われてきたビル外壁の剥離落下防止技術に誤りがあることに気付き、新しいビル外壁の剥離落下防止技術「FST工法」を開発、販売を行う。当社のモットーは絶対に嘘は言わないこと、ごまかしをしないこと。製品は全て従来技術では到達しえない高い安全性、安全率を確保した優れた商品である。この技術を多くの方々に活用していただき、社会インフラの安全の確保や国民の方々の安全安心を守るために貢献したい。現在行われているパネル工法を除く改修工事の全て(ピンニング工法、ネット工法、接着張り工法、外断熱工法)が可燃化工法であるため、現在の市場の全てを不燃化工法の市場に変換することを目指している。
https://fs-tec.co.jp
審査委員よりコメント
ビル外壁の完全不燃化工法をオリジナルで開発。その技術力と探究心に強み。技術を世の中に広めていくための広報面やビジネスモデルの提案に期待する。また安全安心を守るために貢献したいという企業の理念に寄り添うような提案に期待する。