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業界の未来を担う
「裂地袋物縫製技術」

有限会社プレジール

アピールポイント

● 伸縮性に乏しい裂地素材を一点一点丁寧に仕上げる高度な職人技術。
● 型紙作りから仕上げまで、一人の職人による一貫した生産体制。
● 皇室向け和装バッグも手掛けるほどの高い縫製技術。

テーマ概要

裂地素材は革のような伸縮性に乏しく、ヘリを返す必要等もあり、制作においてきっちりとした型紙作りが必須になるなど、高い技術力が必要とされる。一人の職人が型紙作りから仕上げに至るまでを担当し、皇室向けの和装バッグのOEM制作を行うほど、技術力の高さは評価されている。しかし、職人の中で最も若い者でも69歳。若い担い手不足は顕著で、技術の承継は最後のチャンスともいえるほど困窮している。一人でも多くの方にこの技術について知ってもらい、魅力溢れる商品を生み出すことで、若年層が憧れる職業へと変貌を遂げることを目指す。

特許・受賞歴・実績・クチコミ

・第12回TASK(台東区、足立区、荒川区、墨田区、葛飾区)ものづくり大賞「奨励賞」受賞(ミナレス合切袋シリーズ)
・皇室向け和装バッグのOEM制作
・「制作を断られ続け、御社しかもう頼れるところが無い」「御社に頼んで本当に良かった」等と取引先より評価される事も多い縫製技術力

Q.自社ならではの強み、他社との違いは?

「分業制」「内職制」を取らず、一人の職人が型紙作り⇒生地裁ち⇒縫製⇒仕上げに至るまで、一貫して担当しバッグを仕立て上げる、総合的かつ高い技術力。この縫製技術は、バッグ以外の商品制作にも応用ができる可能性を秘めている。

Q.いま抱えている課題は?目指していることは?

制作の依頼は、和装に合わせて使用するバッグがほとんど。自社オリジナル商品はあるものの、多くの方々にご愛用いただける商品に成長させることをかなえられずにいる。職人の技術を継承できる人物に巡り会えていないことも課題。業界を支える職人たちが超高齢化を迎え、裂地袋物技術は消滅寸前。「こんな仕事があるんだ」「こんな商品を作れるんだ」「この商品を使いたい」と思ってもらえる商品を生み出すことを目指している。

Q.提案に期待していることは?

縫製技術を生かせる新たな商品作り、その商品を通した「職人」への憧れを創成することを目指している。魅力ある商品を生み出し、ファッション性の高いリアル店舗のファッション関連売場でお取り扱いいただくこと。欧米や中東等を中心とした海外で「ファン」を増やすことを期待したい。これらを実現することで、脚光を浴びる業界に変えていきたいと考えている。

Q.デザイナーとの協業に期待していることは?

業界内の凝り固まった考えを打破し、新たな発想のもと、新たな商品を生み出したい。縫製技術を活かすには、現在制作している「バッグ」にこだわるべきなのか、全く別のジャンルの商品も生み出せるものなのか。まずはそこをクリアにし、新たに生み出した商品によって、様々な「注目」を浴びることに期待している。

審査委員よりコメント

業界を担う意欲とそれに伴う実績を十分に持つ企業である。皇室にも愛用されるなど技術力の高さは確かなもの。職人技術の活かし方を含め、後継者を育んでいくための提案に期待するとともに、企業単体としてだけではなく、ひとつの業界を担うことができるような提案に期待する。

有限会社プレジール(世田谷区)

パリ万国博で金牌を受賞したバッグを手掛けた職人である曽祖父の意思を受け継ぎ、1966年6月に創業。創業者である祖父は和装バッグの定番「利休バッグ」や喪服に合わせるバッグ「喪バッグ」というジャンルの誕生にも深く関与。現在は、父と息子2人の会社で裂地バッグをOEM制作。皇室方が使われる和装バッグのOEM制作も担当している。バッグ制作を担うのは長い修業期間を経て独立した職人たち。彼らは独立採算制でそれぞれの自宅の一室を工房としてバッグ制作に取り組み、日々その技術を修練している。各職人たちが持つ、帯地や織物といった裂地をバッグに縫製する技術は国内トップクラス。裂地縫製職人に新たな地位や価値を与えることを自社の使命と考え、製造卸から、オリジナル商品で商売が出来るメーカーへと脱却を図る。大きな収益を上げることで、職人の育成等にも本格的に取り組み、消滅間近な業界に新たな息吹を与えられるよう努めたい。

https://www.plaisir-bag.com

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