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木材を木ダボでつなげてつくる
エコな「木質素材」

株式会社長谷萬

アピールポイント

● 接着剤を使用せず、木ダボのみで接合してつくるエコな木質素材のDLT(Dowel Laminated Timber)。
● 木材断面を加工処理することで、DLTの表面に多彩な意匠を施すことが可能。
● DLTは皮が付いたB級木材でも意匠に活用でき、木材の有効活用に貢献できる。

テーマ概要

「DLT」とは、接着剤を使用せず木ダボのみで接合する木質素材のこと。木材を並べて穴をあけ、木ダボを打ち込むというシンプルな製造工程のため、各地域の中小製材事業者でも製造しやすい素材である。日本の森林資源は現在利用期を迎えており、国内でDLTの普及が進めば、地域活性化につながる。また、丸みや皮付き材などのB級木材を使用することによる、木材有効活用や山側への利益還元にもつながると考えている。
※DLTはDowel Laminated Timberの略。Dowelとは英語で木ダボの意。

特許・受賞歴・実績・クチコミ

DLT(商品名:BSボード)の、丸みや皮付き材などのB級木材を使用できる点が評価され、2020年度グッドデザイン賞を受賞。現在、木質建材としてDLTの生産・販売を開始し、デザインに拘りのある住宅などの木造物件で採用されている。

Q.自社ならではの強み、他社との違いは?

木に関する一貫体制が強み。良質木材を国内外から調達し販売する木材販売から、加工して販売する木材加工、それら材料を用いた建築物の施工空間や暮らしの中で用いることのできる木製品の提案まで、幅広いアプローチで木材の活用を提案し、提供している。また、モノづくりの要となる品質は製造現場の人づくりからと考え、会社全体で生産革新活動に取り組む。DLTは当社の木材加工ノウハウを活かした製品で、「セル生産方式」という、少数の作業者チームで製品の組立から加工まで行う生産方法で行っている。

Q.いま抱えている課題は?目指していることは?

DLTは、建物の屋根や床、壁などに用いる建材としては利用され始めている一方、それ以外の用途が未開拓で、その可能性を十分活かせていない。木材業界や建材業界にはない、まったく新しい自由な発想・着想を取り入れ、日本の森林資源活用につながるような、DLTの新しい活用方法を確立していきたいと考えている。

Q.提案に期待していることは?

DLTのポテンシャルをより発揮できる、私たち木材に関わる人間では生み出せないような、斬新でまったく新しい着想や発想を期待している。新たな付加価値を付与することで、エンドユーザーにも木材の良さを実感してもらい、国産材の活用、DLTそのものの市場価値の確立、地域活性化や様々な人の生活の質向上につながることを期待している。

Q.デザイナーとの協業に期待していることは?

今まで木材についてあまり知らなかった、関わりがなかったという業界の方々にも木材について理解を深め、良さを感じていただけるような取り組みになることを期待したい。DLTで新しい製品や事業を生み出すことで、日本の木材や森林を守ることを目指している。木材業界とデザイナーとの新たな試みによって、どのような化学反応が起こるか、社員一同ワクワクしています。

審査委員よりコメント

100年前に創業した材木問屋が発祥の会社。木ダボで接合する建材「DLT」は、大量生産品ではなく手作りで生まれる循環型素材。DLTの肌触り、ぬくもりを引き出し、木材の良さを改めて伝えられるような提案を期待したい。

株式会社長谷萬 (江東区)

東京・木場で100年前に創業した材木屋が発祥。木材販売事業のほか、木材加工事業、建築事業、木製品販売事業を営んでおり、木に関する一貫体制が特徴。木材に関する長年のノウハウや技術力を活かし、開拓精神をもって様々な事業に挑戦し続けている。材木屋の立場から循環型資源の木材を有効に活用することが木材や森林を守ることにつながると考え、「木を守る。木を生かす。」をブランドスローガンとして掲げている。より多くの方に木の良さを知ってもらい、「木」のある暮らしを広げることを目的として、新たな挑戦に果敢に取り組んでいる。

https://www.haseman.co.jp

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