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環境負荷を軽減したプラスチック材による
「射出成形技術」

株式会社ミヨシ

アピールポイント

● サンプル製作分野で様々な新製品の製作に携わり、培ってきた高い技術を持つ。
● 生産活動において環境に配慮した事業活動を行う。
● 金型から成形まで一貫した生産体制。最低1個から小ロット生産が可能。

テーマ概要

金型の設計・製作、成形を主とする業務の中で、環境負荷を軽減したライフサイクルの長い製品を開発する必要があると考え、実現した技術。近年、海洋プラスチック問題に端を発し、従来の石油由来のプラスチック使用について地球規模の大きな課題となっている。塩素系添加剤が配合されている成形材料や、人体に有害なガスが発生する成形材料を使用していないことはもちろんのこと、生分解性プラスチックス、木粉を含ませたプラスチックス、植物を主成分としたセルロースナノファイバー含有樹脂等を用いた製品製作技術を有する。今後も自然由来の原料や生分解性プラスチックを使用した製品を開発し、循環型の社会を目指す。

特許・受賞歴・実績・クチコミ

・2015年「機械学会関東支部」技術賞受賞
・2017年「省エネ大賞」中小企業庁長官賞受賞
・2019年「勇気ある経営大賞」奨励賞受賞

Q.自社ならではの強み、他社との違いは?

金型製作から成形までを一貫して製作することが可能。金型製作と成形の現場が、同じ建屋内にあるため、成形で不具合が生じた際の金型修正(リカバリー)やアフターフォローに素早く対応できる。石油由来ではないプラスチックスを使用した製品サンプルづくりの実績があり、製品の実現性において他企業と比べて優位である。お客様が相談しにくい小ロット対応を得意とし、1個から受注可能。

Q.いま抱えている課題は?目指していることは?

環境負荷軽減プラスチックの成形材料は、普及率が低いため材料単価が高いことや、自社保有の設備では成形サイズに制限がある(A4サイズ程度)等の課題がある。今後は、自社製品の開発に力を入れ、工場直販のECサイト等で販売したい。材料の特性を活かした製品仕様や市場に見合った販売価格実現のため、付加価値の高い優れたデザインやブランディングの必要性を強く感じている。

Q.提案に期待していることは?

環境負荷を軽減したプラスチック材料について理解を深め、高付加価値の製品に応用させることで、使い捨てや一過性のものではなく、10年先も長く愛用できるものづくりを目指している。市場は問わないが、販路の拡充や新規販路の開拓につながり、またどのようにしたら多くの人に認知され、使用してもらえるのかという点からの提案を期待したい。

審査委員よりコメント

環境負荷を軽減するプラスチックは、未だ高単価ではあるものの、一方で将来的には有望な素材である。高付加価値化をもたらす提案は必須ではあるものの、日々の生活の中でプラスチック素材であることが常識であるとされてきたものに着眼点を置いて、対象を見出すことができれば、可能性は大いに広がるかもしれない。環境負荷軽減樹脂の価格に見合った商品と販促(コンパクトかつ高付加価値な商品で安定的に消費する用途)の発見、環境負荷低減材料と高付加価値及び耐久性商品の実現など要素が多面的なため、それらの点がユーザーに伝わりやすい戦略的な商品やビジネス提案を期待する。

株式会社ミヨシ(葛飾区)

1982年設立以来、金型製作を主に、射出成形、部品加工、金属試作品製作、治工具製作、設計業務などを行う。主な製作実績としては自動車弱電装部品、包装容器、家電、ロボット、医療機器、研究機関などの樹脂部品、評価用部品などで小ロット生産を得意とする。社長が技術士のため技術育成に力を入れており、社員全員がQC検定2級~4級を取得。また、環境マネジメントシステム「エコアクション21」に取り組んでおり、作業環境の改善を行いながら、環境に配慮した材料で、環境に配慮したものづくりを目指す。

https://www.miyoshi-mf.co.jp

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