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環境にやさしい素材に特化した
「パッケージ印刷加工技術」

株式会社一九堂印刷所

アピールポイント

● 水にも強いが生分解する紙や木質由来のセロハンフィルムなど、持続可能な紙素材の印刷加工技術を保有。
● 独自の環境対応素材に対し大ロットの製品製造が可能。
● 企画から設計・製版・印刷・製本・加工まで自社で一貫体制。

テーマ概要

持続可能な素材である紙のパッケージの開発及び製造を長年にわたり実施。昨今海洋プラスチックごみの問題が世界共通の課題となるなど、日本でもプラスチック製品への懸念が高まっている環境下で、代替素材を探求。見つけてきた素材に対して社内テストを繰り返し、大ロットのパッケージ製造が可能なレベルまで印刷、加工技術を修得した。
保有する環境対応素材の例としては、厚さ1mmの高級白板紙/黒板紙、水に強いが生分解する紙、木質由来で生分解するセロハンフィルムなどがある。これらは、プラスチック素材の代替可能性があり、将来性の高い素材である。

特許・受賞歴・実績・クチコミ

・2019年「江東ブランド」に選定
・2020年「ドイツ国際カレンダー展(Gregor Calendar Award 2020)」銅賞受賞

Q.自社ならではの強み、他社との違いは?

環境に優しい素材である紙パッケージの開発及び製造を長年にわたり従事。素材調達とそれに対する加工技術を磨いてきた。今回テーマにあげた素材の優位性として共通するのは「環境に優しい素材」であること。これに対するオフセット印刷機での大量印刷、箔押し、抜き、貼り、製函加工などが可能。小ロットであれば対応可能な会社はあるかもしれないが、当社では大ロットでの製品製造も可能。

Q.いま抱えている課題は?目指していることは?

素材調達と製品製造は当社で可能だが、ネックは価格。既存のプラスチック製品比でコストアップは不可避で、それ以上の環境対応メリットを顧客に感じてもらえるかがポイント。また、日本では欧米に比べるとコンポストが少なく、素材が”生分解”することに対してメリットを実感しにくく、現在の主要顧客では採用にはいたっていない状況。一方、環境対応したいが方法がないという顧客に出会えていないことも考えられ、新たな発想、デザインを注入し商品化することで、広く世間に問いかけ本素材の可能性を広げたいと考えている。

Q.提案に期待していることは?

環境対応の重要性はこれから増すことはあっても減ることはないと思われる。これまで手掛けてきた紙製パッケージのみならず、紙製品や他の用途へ展開を考えている。この素材に対する固定観念を良い意味で破壊するような発想を期待している。

審査委員よりコメント

ビニール袋の有料化、大雨による水害、夏の猛暑など、国内でも急速に環境に対しての意識が高まる中、環境に優しい素材の幅広い取り扱いがあること、また印刷・加工が可能であることに可能性を感じる。コストアップは不可避にせよ、それを超える付加価値をもたらす提案、紙の特性を活かした新たなビジネスプランと商品提案を期待。また、BtoBtoCで展開をする提案なども興味深い。

株式会社一九堂印刷所 (中央区)

1910年創業の印刷会社。築地本社からほど近い江東区清澄白河に工場を置く。1960年代にレコードジャケットを手掛けて以降、CD、DVDといった音楽、映像ソフトのエンタメ関連のパッケージを多く製造。近年は化粧品パッケージ、店頭販促物等にも進出。印刷だけでなく企画から設計、加工に至るまでワンストップで対応できるため、特殊パッケージの依頼も多い。常に市場や社会にアンテナを巡らせ、お客様に独特の提案や新しい情報を提供中。
エンタメ業界で培ってきた遊び心ある発想力と高いクオリティを環境対応素材に付加し、持続可能な資源として紙素材の可能性を更に拡げることを目指す。

http://ichikudo.com

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