ナイロンの短繊維(パイル)を静電植毛加工して作られた特殊な新素材「Shibaful(シバフル)」。面で着脱できる特性を持ちながら剥離音が小さく、吸着力は弱く剥がすのが容易である反面、横方向の密着強度は相当に高いという特徴を持つ。パイルの長さは2mm、植毛密度は1cm2当たり数千本ある。パイルのカラーとブレンド比率を変えることでカラーは自由に変更できる。
現在は、素材の汎用性高い特徴を生かし、雑貨や携帯ケースの素材として使用されており、その毛並みと手触りといった主に見た目・デザインを付加価値として商品化しているが、今回は、そこに機能性を付与することによる新たな用途開発の提案を求めている。また、芝生の緑色にこだわらず、色も含めた提案を期待したい。
【テーマのポイント】
・長い毛を植えているにもかかわらず、耐摩耗性が非常に高く、洗える
・脱着は容易だが、横方向へのひっぱり強度が非常に強い
・成形物への直接植毛と植毛生地、および植毛後の2次加工により汎用性の高い製品企画が可能
株式会社エージーリミテッド(港区) ホームページ
海光社は1946年に創業し、世界で初めて線状のオモリを漁業に応用した高比重漁網・綱のメーカーである。漁業分野以外ではカラスや風などによるゴミの拡散を防ぐカラスよけネットや、カーテンの裾に縫い込みドレープをきれいに出すためのオモリの生産を行なっている。消防向けの救難ロープを生産していたところから発光ロープの要望があり、消防庁や防衛庁向けに電線状の無機EL発光ロープの生産を開始した。
独自性のある面ファスナーとして多様な展開の可能性を感じる。同社の既存商品においてモチーフとされている芝生に捉われず、機能性から新たな用途を発想し、ビジネスの可能性がある自由な提案が期待される。