大正時代から続く伝統的な硝子成型技法のひとつ「乳白あぶりだし技法」。これは硝子の中に「骨灰(こつばい)」という特殊な原料を入れ、急激な温度差を与えることで乳白色に発色させ、熟練した職人技と精密な紋様の金型によって、ガラスに絵柄を浮かび上がらせる伝統的な技法である。日本独特の硝子成型方法であり、この技法で作られた乳白色の硝子器は、どこか儚く淡い雰囲気を持つ。
日本国内だけでなく、世界各国の展示会にも積極的に参加し、好評を博している。ガラス器という日本だけでない世界共通の素材に対して、「江戸硝子」の高い生産技術に関心を寄せる人も多い。
現在、当成型技法での展開は食器のみ。デザインを活用し、新しい展開に期待している。制作可能サイズは、φ60mm×H60mm〜φ80mm×H150mm程度。絵柄は市松・水玉・十草・波・格子・鱗・唐草の7種。新柄を作るには 特殊な金型が必要で、非常に高額。
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1899年、創業。東京で最も古いガラスメーカーのひとつ。戦前より同社に伝わる貴重なデザイン資料や脈々と受け継がれる技術を大切にしながら、手作業の価値を見極めたものづくりを行っている。
食器以外での展開、日常の中での場面展開に期待したい。吹き込みガラスで、対応サイズの幅があまり広くないため、組み合わせての活用なども考えられる。