ペルチェ素子は電流を流すと一方から熱を吸収し、反対側から熱を放出するという特徴を持った半導体素子。反対の電流を流すと熱の動きも反対となるため、冷却装置にも加熱装置にもなる。この素子の能力を引き出すには、放熱面の冷却をいかに効率よく行うかがカギとなる。同社では、一般的には空冷で行われる冷却を、素子の特徴に応じた液冷と組み合わせ、能力を最大限に引き出すことに成功。冷凍機などと違い、動く部品がないため、小型化・静穏化ができる。制御性が良く応答も早いため、ヒートシンクの形状やペルチェ素子の組み合わせによって、幅広い分野の熱問題に対応可能な技術である。
同社で一般的に使用しているペルチェ素子の大きさは 40✕40✕3mm。
一般的な空冷の場合、100✕100✕40mmのヒートシンク+ファンを直接取り付ける必要があるが、液冷の場合は、60✕60✕10mmのヒートシンクがあれば吸熱可能。また、ペルチェ素子自体は小型なもの(数mm角)も市販されており、それに合わせたヒートシンクの製作も可能である。
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2006年に設立。測定器、半導体テスター周辺機器の企画・開発・製造などを行う。社名「Keenus」は、鋭いという意味の他、熱心な、優れたという意味の単語「Keen」を元にしている。また、「デザイン」は「設計」の意味。
商品化するとやや高額になる技術なので、BtoB分野での活用可能性が高いが、使用シーンの想定によっては、ハイエンドなホームユースなども考えられる。