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デジタル印刷を活用した段ボール資材への加工技術

株式会社志村製函所

アピールポイント

● 段ボール用インクジェット機では珍しい、CMYK+OGという6色インキ対応で従来では再現できなかった色域が再現可能。
● 所持しているデジタル印刷機の印刷可能幅が2,500mmあるため、オフセットでは対応不可能な大型サイズが印刷が可能。
● 1,600mm×2,000mmまでカット可能なサンプルカッター機を所持しており、デザイン+形状で真新しい段ボール製品が製造可能。

テーマとなる技術や素材について悩んでいること

● オフセット印刷やグラビア印刷に比べ、印刷クオリティーが劣るのが実状。
● 印刷物が段ボールなので、色彩は豊かであっても光沢感が出せない。
● 大ロット(2,000枚以上)には不向き。

テーマ概要

創業当時は木箱を製造していましたが、時代のニーズの変化により現在の段ボール製造業にシフトチェンジしました。時代による段ボールの需要はさまざまで、競合他社と差別化が図れる当社の個性を模索していたところ、「段ボール+デザイン」という発案から新たな印刷機を導入しました。機械の特徴としては、国内でこの機械を取り入れているのは4台目という最新モデル。色域の表現や印刷の細かさ、印刷スピードが格段に上がっているため、生産性も大幅にアップしました。ここに創業当時から培われている段ボール加工技術を組み合わせ、今までになかった段ボール製品を世の中に提供できればと考えております。

特許・受賞歴・実績・クチコミ

・2021年 板橋製品技術大賞「だんぱーてEat」優秀賞受賞
・2022年 板橋区「いたばし人と未来を創る会社賞」受賞

Q.自社ならではの強み、他社との違いは?

弊社の強みとしましては、自社で段ボールシート製造→製函(加工)→配送までワンストップで行えるところです。自社で設計部、デザイン部もあるので、オリジナルのケースを外注をかけずに自社だけで提案、提供が可能です。

Q.いま抱えている課題は?目指していることは?

・段ボールの用途が多様化している昨今、ロット、形状、デザインの要望がさまざま、従来の生産方法では対応が困難なケースがある。
・特に小ロットで抜型を使用しなければならない形状に至っては、製造ラインや固定費などの絡みでなかなか消費者の希望価格に添えない部分がある。
・また、販路拡大は重要なポイントで、既存の顧客だけではなく、今まで対応できずにいた、もしくは、対応さえできていなかったラインを見つけ出したい。
・自社のECサイトなどを持ち、既存の注文方法だけではなく、外部(個人)からの受注生産のシステムを持っていない。
・会社の製品を世に広めるような宣伝や、販路拡大などのマーケティングができていない。

Q.提案に期待していることは?

・段ボール業界以外の角度から見ていただき、業界の人間では出せないアイデアで真新しい段ボールの「カタチ」を想像して欲しい。
・「段ボール+デザイン」で運搬機能だけだった段ボールから、観賞用、雑貨、家具など、多種多様な段ボールの可能性を広げて欲しい。
・新規顧客獲得に向けオリジナルECサイトなど個人向けに対応できるシステムも構築したい。
・環境問題が社会問題になっている昨今、SDGsの観点から段ボール素材はリサイクル率96%で環境に優しいという部分をアピールし、社会に貢献したい。

Q.デザイナーとの協業に期待していることは?

「段ボールはこういうものだ」「段ボールはこういう使い方」などという固定概念を払拭するような、業界以外の目線から段ボールを見つめ直したアイデアをいただきたい。「段ボールでこんなことができる」「これが段ボールなのか」という真新しいものを期待しています。

株式会社志村製函所(板橋区)

1955年(昭和30年)7月5日創業。創業当時は木箱を製造しており、時代の流れに伴い、段ボール製造に切り替え現在に至る。2020年に株式会社出羽紙器製作所のグループ会社となり、シート製造機のコルゲーターを所持していたことから段ボール製造の全てが対応可能に。シート製造から配送までワンストップ化を実現しました。そして、設計部、デザイン部も置かれていたため顧客に合ったケースの提案が可能になり、さまざまなニーズに応えられるようになりました。

https://shimura-seikan.co.jp

社風

志村製函所としてはまだまだ小さな会社なので、風通しがよく、営業部、業務部、製造部、配送部と壁がなくコミュニケーションがとれていて、情報共有がよくできている会社です。そして、トップダウンとボトムアップのバランスを保ちながら、新しいことへのチャレンジを重視しており、さまざまなことにトライ&エラーを繰り返し、段ボールの可能性を見出しております。

自社製品・技術を通して、または企業として、社会で果たすべき使命(ミッション)や提供する価値など

「段ボールを進化させ、みんなをHAPPYに」をスローガンに置き、段ボールでできることは全てやるという前向きな姿勢で日々活動しております。

今後の夢や目標、将来構想など

昨今の環境問題に向き合い、環境に優しい段ボール素材を活かしながら、またそれを扱う企業にも優しく、「段ボールを進化させ、みんなをHAPPYに」を念頭に、段ボールといえば志村製函所と思っていただけるような企業になりたいと考えております。

テーマ企業プレゼンテーション

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