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細い繊維径の不織布

タピルス株式会社

アピールポイント

● 1ミクロン以下の細い繊維径の不織布。
● 繊維径を1ミクロン以下から30ミクロン以上の広い範囲でコントロールすることが可能。
● ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロン、ポリエステルなど多くの熱可塑性樹脂を原料とする。

テーマとなる技術や素材について悩んでいること

● 技術的アプローチで顧客の要求に応えてきたが、新しい切り口で新分野にアプローチする必要がある。
● 顧客からの要求を実現することに注力しており、開発が受動的になる傾向がある。
● 既存分野は既存顧客からの情報を得て展開できるが、新規分野への展開に苦慮している。

テーマ概要

細い繊維径の不織布を製造する方法であるメルトブロー製法は、アメリカの海軍研究所で開発されExxonMobil社が技術継承した製法であり、日本では1974年に東燃石油化学株式会社がExxonMobilから独占的技術供与を受け不織布事業に参入しました。
タピルス株式会社はその流れを汲み、先駆者としての長く豊富な経験をもとに顧客の要求を満たすための技術開発を重要視して、高品質で高付加価値な製品を供給しています。具体的用途としては、飲料など液体用のフィルター、コイン型電池のセパレーター、ビル空調用のエアフィルター、不織布マスクのフィルター、吸音材、ワイパー等に使用され、現在新たな用途開発に取り組み続けています。

特許・受賞歴・実績・クチコミ

顧客の要望を詳細に聞き取り、その要望に合致する製品を開発して提供することを大切な価値観としています。そのための技術的アプローチやサービスの提供が顧客から評価され、製品の販売へと結び付いています。

Q.自社ならではの強み、他社との違いは?

メルトブロー製法の先駆者として長く豊富な経験を有しており、高品質で高付加価値な製品を供給できることが強みです。顧客には各分野の有力企業が名を連ねニーズに合わせて製品とサービスを提供することに努め、強い商品開発力を有しています。しかしながらメルトブロー不織布に特化しているため、複数の不織布製法を有している同業他社と比較すると、ビジネス規模としては大きくありません。

Q.いま抱えている課題は?目指していることは?

長く豊富な経験と商品開発力に裏付けられた技術的アプローチは会社の強みであり、最も得意とする開発手法ではありますが、既存顧客の要求を丁寧に聞き取り実現するだけでは十分ではなく、新しい発想で新規顧客を引き付け、新しい分野でもメルトブロー不織布の魅力を発揮することが重要と思われます。

Q.提案に期待していることは?

芸術性、意匠性からの切り口で不織布を見ることにより、新たな発見を期待したいと思います。メルトブロー不織布とよく似た製法にスパンボンド不織布がありますが、メルトブロー不織布と比較すると、不織布の強度や耐摩耗性に優れ、圧倒的に大きな市場規模を有します。その一方で、メルトブロー不織布はスパンボンド不織布よりもおよそ一桁小さい繊維径を作ることができ、この特徴を活かすことができる分野への展開を希望します。

Q.デザイナーとの協業に期待していることは?

新しい視点からの発見をきっかけとして、技術者側も新しい発想に思い至ることに期待します。メルトブロー不織布の強みと弱みを理解する技術者と新しい観点で気付きを与えるデザイナーがお互いを触発し、その相乗効果で新しい事業へ昇華できれば素晴らしいことと感じます。内容によってはBtoBビジネスの枠から飛び出し、BtoCビジネスへの展開も検討事項です。場合によっては、M&Aも視野に入れて広く可能性を追求したいと考えています。

タピルス株式会社(港区)

1974年に東燃石油化学株式会社から技術供与を受けて研究開発を継続し、1987年に会社を設立。その後、2003年に製販一体の会社として東燃グループから独立し、2011年にはタイへの進出を果たしました。製造ラインは1,300mm幅と850mm幅の2種類を有し、二次加工としてカレンダー加工とスリット加工を行っています。衛生用品などへのコンタミを防止するため、工場内での着色加工等は制限されています。

https://www.tapyrus.co.jp

社風

大切な価値観
・顧客の要求に応え価値ある商品とサービスの提供に努め、信頼される企業として事業の継続に取り組みます。
・成長分野において技術レベル向上による差別化に挑戦し、新たな価値を創造します。
・安全の確保を最優先とし、健全で公正な企業として地球環境に配慮した企業活動を行います。
・継続的な人財育成に努めるとともに、職務を誠実清廉に行い活力ある企業風土を醸成します。

自社製品・技術を通して、または企業として、社会で果たすべき使命(ミッション)や提供する価値など

タピルスグループは、高機能不織布事業を中心とした素材企業として持続可能な成長を成し遂げ、新たな価値を創造していくことで社会の発展に貢献します。

今後の夢や目標、将来構想など

独自技術による高品質の製品を安定してお客さまに提供し、コツコツと積み上げてきた信頼関係は私たちの財産です。この財産をさらに発展させるため、お客さまや社会が求める製品やサービスを提供してまいります。これからも、従業員が能力を最大限発揮できる環境を整え、既存事業の強化と成長事業の育成による企業価値の向上に加え、環境負荷の低い事業展開を推進いたします。

テーマ企業プレゼンテーション

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