2015年度「東京ビジネスデザインアワード」

着脱のしやすさと密着強度を
兼ね備えた「ファスニング技術」

ナイロンの短繊維(パイル)を静電植毛加工して作られた特殊な新素材「Shibaful(シバフル)」。面で着脱できる特性を持ちながら剥離音が小さく、吸着力は弱く剥がすのが容易である反面、横方向の密着強度は相当に高いという特徴を持つ。パイルの長さは2mm、植毛密度は1cm2当たり数千本ある。パイルのカラーとブレンド比率を変えることでカラーは自由に変更できる。
現在は、素材の汎用性高い特徴を生かし、雑貨や携帯ケースの素材として使用されており、その毛並みと手触りといった主に見た目・デザインを付加価値として商品化しているが、今回は、そこに機能性を付与することによる新たな用途開発の提案を求めている。また、芝生の緑色にこだわらず、色も含めた提案を期待したい。

【テーマのポイント】
・長い毛を植えているにもかかわらず、耐摩耗性が非常に高く、洗える
・脱着は容易だが、横方向へのひっぱり強度が非常に強い
・成形物への直接植毛と植毛生地、および植毛後の2次加工により汎用性の高い製品企画が可能

株式会社エージーリミテッド(港区) http://agltd.jp/

静電植毛技術を活用して芝生の質感と手触りを再現した新素材「Shibaful(シバフル)」を開発したメーカーである。素材の運用を中心にブランドを立ち上げ、企画・製造・販売を行っている。素材の特性に合わせ、付加価値の高い二次加工(レーザー彫刻、UVプリント、箔押し、熱圧着、縫製)を活かし、iPhoneケースから雑貨、アパレル、インテリアまで幅広く展開しており、別注生産やライセンス販売も行っている。

独自性のある面ファスナーとして多様な展開の可能性を感じる。同社の既存商品においてモチーフとされている芝生に捉われず、機能性から新たな用途を発想し、ビジネスの可能性がある自由な提案が期待される。