2014年度 東京ビジネスデザインアワード

2014年度 東京ビジネスデザインアワード 審査委員長挨拶

この数年は日本の中小企業の高い技術が世界で認められ、シェアを伸ばしているニュースを耳にする機会が増えてきました。質が高く信頼できる技術はその活かし方を適切に見つければ、ビジネスが生まれるチャンスはあるということです。
東京ビジネスデザインアワードが目指すデザインは、技術と市場に新しい関係をつくること。物のあり様だけでなく技術と使い手のニーズを繋ぐ新しい用途やそれを世の中に送り出すコミュニケーションやしくみをディレクションすることまで視野に入れています。それはデザインが広い役割を持つことによって、企業が市場に風穴を開けるリアリティが高まると考えるからです。
3年目を迎えて、デザインが果たす役割や価値を最大限に発揮していただく場となるよう、仕組みを整えてきました。選定プロジェクトには、受賞後1年間生産や市場へ出るまでの独自のサポートシステムで企業とデザイナーをバックアップします。
今年も技術と市場を繋ぐ豊かなデザインを期待しています。 2014年度 東京ビジネスデザインアワード審査委員長
廣田尚子

2014年度 東京ビジネスデザインアワード 審査委員会

審査委員長 廣田 尚子
プロダクトデザイナー / 有限会社 ヒロタデザインスタジオ 代表
川田 誠一
工学博士 / 産業技術大学院大学 産業技術研究科長・教授
日高 一樹
デザイン・知的財産権戦略コンサルタント / 日高国際特許事務所 所長 弁理士
松井 龍哉
ロボットデザイナー / フラワーロボティクス株式会社 代表
山田 遊
バイヤー・クリエイティブディレクター / 株式会社method 代表

2014年度 東京ビジネスデザインアワード 審査方法

審査方法
テーマ・提案ともに実現性や、市場性などについて、多角的視点から評価・選定します。

テーマ審査
企業からのテーマ内容を書類審査
提案一次審査
デザイナーからの提案を企画書で書類審査
提案二次審査
テーマ選定企業とともに、
一次審査を通過した提案から「テーマ賞」を評価選定
提案最終審査
「テーマ賞」受賞デザイナーによる公開プレゼンテーション
「最優秀賞」「優秀賞」を評価選定

2014年度 東京ビジネスデザインアワード スケジュール

スケジュール

2014年4月17日(木)
概要発表・テーマ募集開始
企業からテーマを募集
6月4日(水)
13:30~15:00
企業向け テーマ応募説明会
インターナショナル・デザイン・リエゾンセンターにて
(東京都港区赤坂9-7-1ミッドタウン・タワー5F 東京ミッドタウン・デザインハブ内)
6月24日(火)
テーマ募集締切
締切日までに必着
7月上旬
テーマ審査
企業からのテーマ内容を書類審査
8月5日(火)
テーマ発表・提案募集開始
ウェブサイト等にて発表
9月3日(水)
19:00 〜 21:00
デザイナー向け 提案応募説明会
東京ミッドタウン・デザインハブ内
インターナショナル・デザイン・リエゾンセンターにて
(東京都港区赤坂9-7-1 ミッドタウン・タワー5F)
10月16日(木)
提案募集締切
締切日までに必着
10月下旬
提案一次審査
デザイナーからの提案を企画書で書類審査
11月中旬
提案二次審査
テーマ選定企業とともに、一次審査を通過した提案から「テーマ賞」を評価選定
12月16日(火)
テーマ賞発表
ウェブサイト等にて発表
2015年1月28日(水)
提案最終審査・結果発表
「テーマ賞」受賞デザイナーによる公開プレゼンテーション、審査、結果発表・表彰式
東京ミッドタウン•カンファレンスRoom7にて
(東京都港区赤坂9-7-1 ミッドタウン・タワー4F)

2014年度 東京ビジネスデザインアワード テーマ一覧

デザイナーとの協働を目指す東京都内中小企業からの公募により、
2014年度は12の「テーマ」が選出されました。

1 光学部品製造で培った "ガラスの精密接合加工技術" カドミ光学工業株式会社(日野市)
2 高精度な加工ができる "放電加工" と、
あらゆるものを切断する "ウォータージェット加工"
株式会社エイチ・エー・ティー(国立市)
3 難しい曲線も自在にカットできる "ガラス鏡加工技術" 株式会社DCM(中央区)
4 微かな電力で動かせる "振り子運動の機構設計技術" 国際ディスプレイ工業株式会社(文京区)
5 優れた機構設計とオーダーメイド対応の強みを活かした "薄型鈑金加工技術" 日本フォームサービス株式会社(江東区)
6 多種多様な素材の特性を活かした "バフホイル(布製研磨用具)製造技術" 有限会社 中央バフ製作所(荒川区)
7 省電力でゆっくり回転する "屋内用大型円筒のぼり" 株式会社オオニシ(台東区)
8 長尺に切れ目なくプリントできる "連続箔押し技術" 株式会社 村田金箔(文京区)
9 生地の両面に印刷できる、精密で鮮やかな "昇華染色技術" 楽プリ株式会社(中央区)
10 レーザー加工とUV厚盛印刷による "立体型印刷加工技術" 株式会社トミナガ(荒川区)
11 スマートフォンからもデータの書き換えができる "表示機能付き電子タグ" 株式会社アイオイ・システム(大田区)
12 センサー技術と組み合わせ可能なミラー効果を持った "特殊ガラス" 合同会社時空(港区)

2014年度 東京ビジネスデザインアワード 受賞発表

2014年度 東京ビジネスデザインアワード 提案最終審査 総評

東京ビジネスデザインアワードは今年で3回目を迎え、受賞した企業もデザイナーもこれまでより更に全体的なレベルが高くなっています。
今回の最終審査では、審査委員が提案の「市場性」「デザイン性」「実現度」「ビジネスプランの完成度」4つのポイントについて、それぞれに加点していき審査の参考にしました。集計をしてみると、総合点としてはどの提案も近似値で、提案のクオリティの高さがみてとれました。

その中でも、最優秀賞が選出されたポイントとしては、ひとつに、技術とデザインを融合した価値が伝わるものだったということ、またその独自性だと思います。

最優秀賞と優秀賞が選出されましたが、今回マッチングをした企業とデザイナーの方々全てがテーマ賞という素晴らしい賞を既に受賞されています。どの提案もこれからの市場を生み出していく力があるものです。これから両者で大事に育てていってください。

審査の過程で注視していたことの一つにマネージメント力があります。ビジネスを組み立て実現するには、提案力に匹敵するマネージメント力、つまり人や事を繋げ動かす計画性と人間性を併せ持ったビジョンが必要です。これは、デザイナーだけでなく製品を生み出す経営者にも必要なスキルです。実現を可能にするのは、的確で心が通うマネージメントがなされているかが鍵だと考えます。審査項目にはなっていませんが、最優秀賞・優秀賞を受賞された方々は、これまでのプロセスでその力量も伝わり高く評価しています。 審査委員長 廣田 尚子